ストレス社会に 読む科学「BF-1 Magazine」

2015.11

え?あごの痛みも!?気が付かないうちにストレスで起こる身体症状とは

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「あごが痛い」「体中が痛い」「頭痛が治らない」「吐き気がおさまらない」「目の周りがぴくぴく動く」「熱が下がらない」「胸が苦しい」「動悸がする」「血圧が安定しない」。こうした身体の症状に悩まされたことはないでしょうか?


内科や脳神経外科、整形外科などを受診しても原因が特定できず、症状も良くならない。そんなとき、「実はストレスが、身体症状の原因だった!」ということがあります。


過労、睡眠不足、家庭や職場における悩みなどがストレスを蓄積していきますが、一体、こうしたストレスが、どのように身体症状につながるのでしょうか?

交感神経の過度の緊張が身体症状を引き起こす


そのほとんどは自律神経の仕組みによって説明できます。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。交感神経は、日中に活動するときに働く神経で「緊張」に関係します。一方、副交感神経は、夕方から夜にかけて優位になる神経で、「リラックス」に関係します。


一般的に、自律神経が乱れて身体症状が起きている場合、そのほとんどは交感神経の過度の緊張によるものです。交感神経が緊張しているときには、しばしば筋肉の緊張をきたし、肩こりや背中の張り、腰痛などの症状を伴うことも。ストレスは痛覚過敏や痛覚の閾値(しきいち)の低下をもたらすので、体のさまざまな部位に痛みを感じることもあります。

ストレスによる身体症状を緩和するには?


こうしたストレスの解消法として、まず取り組みたいのは生活習慣の改善です。夜ふかしをして自律神経のリズムを乱すこと、長時間にわたってスマホやパソコンを触って目から光刺激を入れること、毎日過剰なアルコール摂取をすること、こうした習慣は、慢性的に交感神経に過度の負担をかけているので、改善を心がけましょう。


また、「心を良い状態にすること」は、何よりも大切なことです。安心感を持ち、リラックスし、楽しむようなマインドがあれば問題ありませんが、悩みを抱き、不安、恐怖感、怒りや恨みの感情などにさらされるとストレスとなります。悩みがあるときに人に相談することは重要で、共感して自分を認めてもらえたり、的確な助言をもらえたりすると心が楽になります。


一方、自分自身では、今の自分に「できること」と「できないこと」を明確にして、どうしてもできないことについては「仕方ない」とあきらめ、受け入れることも必要です。先のことを考えすぎず、今日一日を過ごすことだけを考えるようしましょう。

言葉の力を使って、身体症状の原因となるストレスを解消


悩みにとらわれてどうしても心が切り替えられないときには、言葉の力を使うのもひとつです。そんなふうには思えなくても「なぜか、すべてはうまくいく」「感謝します」といった、心に安心を与える言葉を、毎日、発するようにしてみてください。


いつも耳から入ってくる言葉は、時間とともに必ず感情に影響を与えるので、何か月も継続していると、心の状態が良くなっていきます。


このように、身体症状の原因となるストレスを解消するには、ひとつの方法によらず、さまざまな方法を組み合わせてアプローチすることが有効です。

泉和秀/精神科医

精神保健指定医・日本精神神経学会精神科専門医。1990年、島根医科大学医学部卒業、京都府立医科大学精神医学教室に入局。1993年~1997年、国立舞鶴病院精神神経科・思春期外来に従事。その後、1999年まで大阪労働衛生センター第一病院心療内科に従事。続いて9年間、滋賀県立精神医療センター・精神科医長として、思春期・青年期治療、治療困難例を含む精神医療に従事。2008年、いずみハートクリニックを開設。現在、同クリニックでの治療のほか、講演活動や心の治療に関する寄稿を積極的に行っている。

HP:http://www.izumi-heartclinic.com/

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