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ニュースリリース

がん治療薬 ThermoDox®(サーモドックス)の日本における 独占的ライセンス契約を締結

2008.12.16医薬品
 株式会社ヤクルト本社(社長 堀 澄也)では、セルシオンコーポレーションと、同社の薬剤輸送技術から創製されたThermoDox®の日本市場における商業化に関する最終的な契約を本日締結しました。

 当社は、日本における臨床開発の全ての必要事項を完遂させ、ThermoDox®の原発性肝がんおよびその他がん腫での適応取得と、販売承認申請を目指します。

 契約の概要は下記のとおりです。


 本契約に基づき、当社は、日本におけるThermoDox®の販売権を得るためにセルシオンにライセンス料を支払います。250万ドルが直ちに支払われるのに加え、ThermoDox®が原発性肝がんの治療薬として厚生労働省に承認された場合にマイルストーン支払いが行われます。

 マイルストーンに応じた支払いとしては、売上高の達成レベルおよび適応拡大がなされた場合についても発生します。

 また、当社は、日本におけるThermoDox®の売上高に対して、セルシオンにロイヤリティーを支払います。

 当社は、セルシオンからThermoDox®製剤の供給を受けます。

以 上



ThermoDox®について
ThermoDox®は、様々ながん治療に対して承認され、広く使用されている抗がん剤のドキソルビシンをセルシオンが所有する熱感受性リポソームに封入した薬剤です。局所的に熱を集中させること(40-42℃以上)で、リポソーム内のドキソルビシンが放出されます。本輸送技術により、高濃度のドキソルビシンを、標的腫瘍内に局所的に集めることができます。


臨床開発状況
ThermoDox®は、現在、米国においては、胸壁部乳がん患者を対象にした第Ⅱ相臨床試験ならびに、肝がんを対象にした第Ⅲ相臨床試験を実施中の段階にあります。『切除不能肝細胞がん(HCC)患者対象に高周波アブレーション(RFA)併用群とRFA単独群との比較の、第Ⅲ相、無作為化、二重盲検、ThermoDox(R)(熱感受性リポソームドキソルビシン)試験』と名付けられた上記の世界的な試験は、香港、台湾、韓国、カナダ、イタリアにおいても実施するための薬事的承認を得ており、また2008年末までには中国での試験実施合意の取得が期待されています。


原発性肝がんについて
原発性肝がんは、肝細胞から発生する種類のがんで、一般的に初期段階で発見されることが少ないことから、患者に予後不良をもたらす結果となります。日本の国立がんセンターによると、原発性肝がんは、日本における成人のがん死亡原因で第三位を占め、年間40,000人を超える患者が新たに診断されるとのことです。


セルシオンについて
セルシオンは、熱活性型薬剤輸送システムと熱エネルギーを集約化させて腫瘍選択的治療を提供する抗がん剤の開発と商業化に注力している会社です。セルシオンは、米国国立衛生研究所、デューク大学医療センター、香港大学、アルバートアインシュタイン医大ノースショア病院などのような先進的な機関と研究、ライセンスまたは商業化に関する契約を結んでいます。


両社のコメント
ヤクルト本社専務取締役・医薬品事業本部長 寺田 清
『この度、セルシオンと、ThermoDox®の日本における独占的ライセンス契約の締結に至ったことを嬉しく思います。早期の臨床試験で、ThermoDox®の明らかな臨床活性が確認されていることから、ThermoDox®は、日本での販売承認に必要な投資に値する薬剤と我々は捉えております。もし現在実施中の第Ⅲ相無作為化試験データでThermoDox®の効力が裏付けされれば、ThermoDox®は、その困難ながんに苦しむ患者に大きな期待を与えることができるようになるものと考えています。セルシオンとの今後の協働ならびに我々のパートナーシップを標準治療が存在しない他のがん腫へと広げていける可能性を楽しみにしています。』

セルシオンコーポレーション社長兼最高経営責任者 Michael H. Tardugno
『我々は、ヤクルトとの契約締結に至るために、ここ数ヶ月間全力を傾けて参りました。今回の契約締結は、我々2社間の長期的かつ相互に実りの多い関係合意の1例となるものです。またそれは、市場での成功に不可欠な経験および能力を持つ製薬パートナーにThermoDox®のライセンス権を導出するという目的達成の1例でもあります。我々は、今回のヤクルトとのパートナーシップを、ThermoDox®関連技術および日本で増え続ける肝細胞癌(HCC)患者への治療薬としての可能性を更に確証付けるものとして捉えています。』



Safe Harbor Statement
本発表内容には、1995年米国民事証券訴訟改革法のセーフハーバー規定に基づいてなされた将来の見通しに関する記述が含まれています。そのため、将来の見通しに関する記述には、リスク、不確定要素が含まれます。これらのリスク、不確定要素には、研究・開発、臨床試験実施過程における予期されない変更、他の技術、資産または事業の買収、締結された基本合意書が正式契約に至らないリスク、消費者、供給者、競合他社、監督官庁による提訴、および米国証券取引委員会への定期報告においてしばしば述べられるほかのリスクなどが含まれますが、これらに限定されるものでもありません。

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