Yakult 環境ビジョン2050

人も地球も健康に 人が健康であるためには、環境や社会など、人をとりまくすべてのものが健康でなければならない。ヤクルトはそう考えています。
しかし、いま地球環境は、人間の活動によって、気候変動や環境汚染など危機的な状況にあります。
人と地球の共生社会へ 
People and Planet as One ヤクルト環境ビジョン
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ヤクルトグループは、長期環境ビジョン2050「人と地球の共生社会を実現するバリューチェーン環境負荷ゼロ経営」を策定しました。
2050年のあるべき姿として「環境ビジョン2050」を定め、バリューチェーンにおける環境負荷ゼロ経営に向け、
「温室効果ガス排出量ネットゼロ(スコープ1&2&3※1)」を目指します。
また、当ビジョンに基づいた実効性のある取り組みを推進するため、バックキャスティング思考※2に基づいた
「環境目標2030」および「環境アクション(2021-2024)」もあわせて策定しました。
※1 スコープ1&2&3 温室効果ガス排出量を把握する範囲 温室効果ガスのスコープについて(GHGプロトコルに基づく概要)スコープ1:自社の事業活動での燃料使用に伴う直接排出量スコープ2:企業が外部から購⼊する電⼒・蒸気・熱に関する間接排出量 スコープ3:事業活動に関連するサプライチェーンにおける間接排出量 ※2 バックキャスティング思考 未来のあるべき姿を起点として、現状、何をするべきかを考える思考方法
トップメッセージ
ヤクルトグループは「人も地球も健康に」というコーポレートスローガンのもと、グローバルに事業展開をしながら、健康な地球環境づくりに取り組んできました。
世界で1日に飲まれているヤクルトの乳製品は4千万本以上(2020年度3月期)となっており、ヤクルトの事業は、世界の人々の健康づくりに貢献する一方で、社会や環境にインパクトを与えています。
今般策定した「ヤクルトグループ 環境ビジョン」では、事業活動で発生する温室効果ガスの発生量や水の使用量を抑え、容器包装の工夫を徹底して、環境負荷をより小さくし、2050年には、社会が要請する「温室効果ガス排出量ネットゼロ」を目指していきます。
いつまでも人と地球が共に暮らせる「人と地球の共生社会の実現」に向けて、私たちはチャレンジを続けます。
代表取締役社長 根岸孝成
人と地球の共生社会を実現するバリューチェーン環境負荷ゼロ経営
私たちは、2050年までに温室効果ガス排出量ネットゼロ(スコープ1&2&3)を目指します。
工程イメージ図
「環境ビジョン2050」を
策定した背景
ヤクルトが「環境ビジョン2050」を策定した背景には、生活環境の悪化があります。人の経済活動による気候変動問題は世界規模で深刻さを増しており、水資源問題、異常気象によるインフラや生活の悪化、農作物や生態系への影響など、さまざまな問題をひきおこしています。
ヤクルトグループは、そのような地球環境の課題を踏まえ、今後自社のみならず地球や社会の持続可能性を高めるためには、お客さまやサプライヤーをはじめとするステークホルダーの声を聴き、共創することによりバリューチェーン全体で地球環境問題、社会問題へアプローチしていく必要があると考えました。
そこで、バリューチェーンで優先して取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。そのうち、環境問題に関わるマテリアリティは「気候変動」「プラスチック容器包装」「水」の3つです。「環境ビジョン2050」および中期目標・短期目標は、3つのマテリアリティから導き設定しました。
ヤクルトグループの
マテリアリティ
ヤクルトグループはSDGs(持続可能な開発目標)貢献の観点に基づき、IPCC※1やWEF※2等の報告書も参考にしながら、外部有識者の協力のもと、バリューチェーンで優先して取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
今後はマテリアリティをもとに、戦略および計画を策定しながら、企業理念および「人と地球の共生社会」の実現を推進し、ヤクルトグループのみならず、地球や社会の持続可能性を高めます。
※1 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(国連気候変動に関する政府間パネル)。5〜6年ごとに気候変動に関する評価報告書を公表している。2018年に発表された「1.5℃特別報告書」では、現在より気温が2℃上昇した場合の影響を報告し、現在より1.5℃未満に抑える重要性が指摘された。※2 WEF:The World Economic Forum(世界経済フォーラム)
サステナビリティを高めるための6つのマテリアリティ
ヤクルトグループのマテリアリティ
環境目標2030
環境ビジョン2050実現に向けた中期的マイルストーン
気候変動 温室効果ガス排出量(国内、スコープ1・2)を2018年度比30%削減 ※スコープ1:物流子会社・ヤクルト本社と生産子会社5社による温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)スコープ2:他社から供給された電気の使用に伴う間接排出
プラスチック製容器包装 プラスチック製容器包装の使用量(国内)を2018年度比30%削減あるいは再生可能にする
水 水使用量(国内の乳製品工場:生産量原単位)を2018年度比10%削減
  • ●気候変動
    地球温暖化の影響により災害発生や生物多様性の損失など、地球規模でさまざまなリスクが顕在化しており、全世界で対策が急がれています。ヤクルト事業の持続にとっても、気候変動は重要な課題であると認識しています。脱炭素社会の実現が求められる中において、当グループとしてもさらなる省エネ推進や再生可能エネルギーの積極的導入等を行うことで、温室効果ガス排出量を削減します。
  • ●プラスチック容器包装
    プラスチックごみによる環境汚染や資源のリサイクルに関する社会問題が起きています。ヤクルトグループでは、環境配慮型容器包装の基礎技術の確立を目指し、資源循環しやすい素材への転換を進めながら、プラスチック容器包装による環境負荷の低減を図ります。また、容器包装へのプラスチックの使用量の削減や生産工程で使用するプラスチック製梱包材の再利用等の取り組みについて、これまで以上に推進していきます。
  • ●水
    地球上の限りある資源であるとともに、水需給の不均衡や水災害の発生など水に関わる問題が地球規模で起こっており、これは水を原材料とするヤクルトグループの事業活動にとって重要な課題です。水使用量(原単位)の削減を図るとともに、生産拠点の水リスクに対応する管理計画の策定を進め、水資源の保全および持続的利用を推進します。
環境アクション(2021-2024)
環境目標2030実現に向けた短期的マイルストーン
脱炭素社会の実現 温室効果ガス排出量(国内、スコープ1・2)を2024年度末までに2018年度比10%削減
資源循環できる容器包装への転換(1)プラスチック容器包装の使用量(日本)を2024年度末までに  2018年度比5%削減あるいは再生可能にします(2)容器包装の資材使用量を削減(3)容器包装の素材変更により環境負荷を低減(4)容器包装に植物由来の環境に配慮した素材を使用
水使用量の削減 水使用量(日本の乳製品工場:生産量原単位)を2024年度末までに2018年度比3%削減
廃棄物の削減 (1)廃棄物発生量を、2024年度末までに2010年度比20%削減(2)食品廃棄物の再資源化率95%以上の維持
生物多様性の保全と活用 (1)自然保全活動の支援・参画(2)生物多様性に関する教育の推進
ヤクルトグループの
社会・環境へのインパクト
ヤクルトグループの商品は、世界40の国・地域に展開し、世界人口の1/3にあたる24億人の方々を対象に販売しています。
グローバル展開においては、現地生産・現地販売を基本とした事業活動を推進しています。
それはいいかえると、世界各地の社会や環境にプラス面だけでなく、マイナス面も含めインパクトを与えているということです。
年間のCO2排出量 409,434t
年間のプラスチック使用量 11,194t
年間の水使用量6,085000㎥
気候変動や環境災害の増加、プラスチックごみ問題の深刻化など、
地球環境の悪化を受けて、環境保全に向けた動きは全世界で活発化しています。
国際社会では2015年にパリ協定が採択され、世界全体で温室効果ガス排出量をゼロにしようという脱炭素化の動きが加速しています。
日本政府も2020年、「2050年脱炭素社会の実現」を目指すと宣言しました。
ヤクルトグループも、世界で事業活動を展開する企業グループの責任として、
「環境ビジョン」を掲げ、それに基づいた活動を推進し、持続可能な地球や社会づくりに貢献していきます。
ヤクルトグループの環境リスクと機会
ヤクルトグループは、気候変動による「リスクと機会」に関連した事業の評価・対応策の立案が、自社の持続的発展のみならず、持続可能な地球環境や社会の実現のために必要であると認識しています。
TCFD提言※1を受けて、社内検討グループや経営層を交えた会議にて議論を重ね、ヤクルトグループが直面する気候変動リスク・機会について、RCPシナリオ※2の手法を用いて分析しました。
今後は、リスク・機会への対応策についてさらなる検討を深めていくとともに、具体的な経営戦略を立案・実行し、取り組みの深化を図っていきます。
※1 TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース):2016年に金融安定理事会によって設立された国際的組織。2017年に発表されたTCFD提言(最終報告書)では、気候関連のリスクと機会について情報開示を行う企業を支援することを表明しており、情報開示方法として、複数の異なる条件でのリスク対応戦略を分析する「シナリオ分析」を推奨している。※2 最も気温上昇の低いシナリオ(RCP2.6シナリオ=2℃前後の上昇)および最も気温上昇が高くなるシナリオ(RCP8.5シナリオ=4℃前後の上昇)で分析
2℃シナリオ
2℃シナリオの解説図
※エネルギー作物:バイオ燃料の原料とすることを目的として栽培する農作物。穀物、サトウキビなど。乳牛の飼料である穀物がバイオ燃料用途と競合し、生乳からつくられる脱脂粉乳の調達困難をひきおこす可能性がある。
4℃シナリオ
4℃シナリオの解説図
水リスクの把握
地球上の水資源のほとんどは海水であり、淡水はわずか2.5パーセントしかありません。さらに人が利用できる河川や湖、地中の浅いところに存在する淡水となると、その割合は0.01パーセントに過ぎません。この貴重な水資源は地域により偏っており、利用にはインフラ整備も必要であり、世界各地には中東、アフリカ、アジアなど、水不足に悩む地域が多く存在しています。
人口増加等を背景に地球規模で水需要の増大が見込まれる一方、安全で衛生的な水インフラ環境の整備は進んでおらず、世界中で22億人以上の人が安全に管理された飲み水を利用できない状況等、水問題は世界的に深刻な課題です。
グローバルで事業を展開するヤクルトグループは、持続可能な水利用の方法やその事業活動が地域社会・生態系等へ与える影響を把握するために、生産拠点の水リスク調査を実施しています。
各生産拠点の水リスクに応じた適切な対応を検討し、各地域の水課題に対応する「水の管理計画」を拠点ごとに策定しながら、水資源の保全と持続可能な水利用を推進します。
生産拠点における
水リスク評価結果(2020年度)
生産拠点における水リスク評価結果(2020年度)の解説表