育児ストレスはどこからくるの?
日々目まぐるしく変化する現代、忙しい毎日、誰しも多かれ少なかれストレスを抱えているのではないでしょうか?
とくに、子育て世代のママやパパにとって、春は子どもの入園、入学、進級などで環境や生活リズムが変わることも多く、仕事をしていれば担当する業務の変化もありがち。4月はふだんより、一時的なストレスをかかえやすい季節。
そんな中、自分の心の状態に目を向けてみましょう。小さなストレスがたまっていませんか?
気づかないうちに、少しずつおりのように重なっていくストレス。ストレスは、小さいうちにうまく解消したいものですね。
ストレスを抱えがちな日本の女性たち
厚生労働省の、ストレスの有無についての調査では、半数近くの人が「悩みやストレス」が「ある」と答えています。また、年代別に見ると、ストレスがある人の割合は、20代〜50代で高く、そのうち、とくに女性が高いという報告があります。
さらに、その原因を聞いたところ、女性は、20代〜50代では「自分自身の仕事」、20代〜30代で「育児」、30代〜40代で「子どもの教育」の割合が高いという調査結果もあります。
20代〜50代では、仕事の責任が加わり、20代〜40代では、子育てにさまざまな課題が生まれる年代。仕事と子育ての両輪をこなしている人は、さらにストレスや悩みが大きくなりがちです。
それでも、日々の暮らしに追われ、自分の心にゆっくり向き合う時間が取れない。そんな年代なのかもしれませんね。
また、世界的に見ても日本の女性たちは睡眠時間が短い傾向にあります。
日々の暮らしに追われ、自分の心にゆっくり向き合う時間が取れない。そんな悩みを抱えている方が多いのかもしれません。
それって育児ストレスでは?
育児も家事も、なんなら仕事も。とにかくすべてを100%の力でがんばっていませんか? 厚生労働省の「こころの耳」では、以下の症状が現れている人はストレスを抱えており、放っておくとメンタルヘルス不調につながると警鐘を鳴らしています。
- 疲れがたまっている
- 集中力が続かない
- やる気が出ない
- 頭痛、便秘、下痢
- 肩こり、腰痛
- イライラ、落ち込み
- 子どもや同居する家族などにあたってしまう
- 眠れない
- 楽しかったことが楽しめない
- 自然と涙が出てくる
「すべてを自分がやらなくては」と思うと、毎日が「やるべきこと」で占められてしまい、自分を気遣ったり気持ちを休めたりする時間がなくなってしまいます。時には立ち止まって自身のことを考え、上記のようなSOSサインが出ていないかをチェックしてみましょう。
子どもたちの心は?
では、子どもたちの心はどうでしょうか?
子どもたちだって、さまざまなストレスを感じています。10代では「自分の学業・受験・進学」に、高いストレスや悩みがあることがわかりますが、もっと幼い子どもたちも、小さな心にいろいろと感じているようです。
ところが、幼い子どもたちは、それをうまく言葉で表現できないため、からだの症状や行動にあらわれてきます。
「国立研究開発法人 国立成育医療研究センター こころの診療部」では、3歳から9歳くらいまでの子どものストレス反応について解説しています。
ストレスによるからだの症状(身体化)として、「頭が痛い」「おなかが痛い」「眠れない」があらわれ、行動面の変化として、「落ち着きがない」「夜尿、おもらし」「わがままになる」「よく泣く」などがあるといいます。
そして、これは「自分を守るためのこころの防衛機能」なのだと解説しています。
育児ストレスをためない3つのポイント
心とおなかの関係を見直す
おとなも、心への負荷は体へのダメージにつながります。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、ストレスによって、自律神経系や内分泌系、さらに免疫系のバランスが崩れ、さまざまな病気の原因になると指摘しています。
そんなときは、おなかの中を意識してみて。以前の記事でも紹介したように、試験を控えた医学部の学生を対象にした研究で、「シロタ株」を1000億個含む飲料を飲んだグループは、プラセボ(味や外見は同じで「シロタ株」を含まない擬似飲料)を飲んだグループと比べて、一時的な精神的ストレスがかかる状況での、ストレスをやわらげる機能が確認され、さらに、睡眠の質を高め、起床時の眠気を改善することがわかったのです。
思い切って周りを頼る
真面目な人ほど、「他人に迷惑をかけてはいけない」と何もかも自分でやろうとする傾向があります。それは、知らず知らずのうちに自分自身の心と体にストレスをためることになってしまいます。
もう無理!と気持ちが爆発してしまう前に、家族、友だち、ご近所の人たちといった、周りの方を頼ってみましょう。また、自治体には、さまざまな子育て支援の施策があります。お住まいの自治体の役所のHPなどでどんな行政サービスがあるかチェックをしたり、窓口へ相談に行ったりするのもおすすめです。いろいろな人からの情報が思いがけず役に立つこともあるはず。まず声をあげる、それがストレス解消への第一歩になるかもしれません。
「周りを頼ることを遠慮しないのも大切」と語る、永山祐子さんの記事はこちら。親子で、無理なく気分転換
ストレスを感じ、気持ちが上向かないときは、活動的なことが億劫になってくるもの。そんなときは、まずは無理のない気分転換からやってみましょう。
音楽を聴く、軽いストレッチをするなどはもちろん、深呼吸や、窓を開けて外の空気を吸うだけでも気分が変わります。窓を開けると、空の色や木の葉の色の変化に気づいたり、小鳥の声が聞こえたりと、新しい発見があるかもしれません。
新聞紙などをビリビリやぶくのも、簡単だけど意外とストレス発散になります。大きめの紙に、クレヨンで自由に好きな色を塗るだけでも、その日の自分と子どもの気分があらわれて、親子でストレス解消&意外な気づきがあるかも。
短時間の昼寝もストレス解消とリフレッシュ効果が期待できます。
そうして、活動したい気分になったら、親子でヨガやストレッチ、散歩などのもっとアクティブな気分転換を楽しみましょう。
また、脳と腸は互いに影響をおよぼし合っており、そこに腸内細菌のはたらきが関わっていることがわかってきています。
そして、乳酸菌「シロタ株」は、一時的なストレスの緩和に関する作用があることがわかっています。
乳酸菌の力も借りて、体プラス心も健康に過ごしたいですね。
COLUMN コラム
子育て世代の、ストレス解消法ランキング!
では、じっさいに子育て世代は、どんなストレス解消法を実践しているでしょうか?
小学館が運営する、乳幼児〜小学生ママ・パパのための育児メディア「HugKum(はぐくむ)」では、子育て世代1000人のストレス解消法を調査しました。
その結果、「寝る」「歌う」「おしゃべり」などをおさえ、「子どもと一緒に踊る・遊ぶ・歌う・昼寝・スキンシップ」が6位に入ったといいます。
1位「甘いもの(スイーツ)を食べる・お菓子(おやつ)を食べる」、2位「テレビ(ドラマ・アニメ・録画・DVD等)を見る」などには及ばなかったものの、子どもとの時間がストレス解消になっているようです。ちなみに3位は「コーヒーを飲む」、4位は「買い物をする・ネットショッピング」、5位は「チョコレートを食べる」でした。
6位となった子どもとの時間。今日の気分や、自分や子どもの個性に合わせ、楽しんでみませんか?