健康管理の
風邪(かぜ)・
インフルエンザの
違いとは?
風邪(かぜ)とインフルエンザはどちらも発熱や咳、のどの痛み、鼻のつまりなどの症状を引き起こしますが、原因となるウイルスや感染力、症状の重さが異なります。どちらも手洗いなどの基本的な衛生習慣を身につけることや、体を守る免疫のはたらきを適切に保つことが重要な予防策です。
風邪(かぜ)って
どんな病気?
風邪(かぜ)の正式名称は『風邪症候群』です。症候群とはさまざまな原因によって似た症状・経過が見られる病気のことですが、風邪(かぜ)という単独の病気ではなく、鼻や喉などの上気道に起こる炎症の総称が風邪(かぜ)なのです。そのため、上気道感染症や上気道炎と呼ばれることもあります。
上気道でウイルスなどが増殖するとのどの痛みやのどの炎症、鼻水や発熱、頭痛などを引き起こします。原因のほとんどはライノウイルスやアデノウイルスなどのウイルスですが、細菌やクラミジア、マイコプラズマなどによって感染・発症することもあります。
実は、風邪(かぜ)に特別な治療薬はありません。さまざまな原因でいろいろな症状が出るため、病院では症状に合わせた薬が処方されます。通常の風邪(かぜ)なら、体力があれば1週間ほどで自然に治ることが多いようです。
インフルエンザって
どんな病気?
インフルエンザはインフルエンザウイルスによる急性感染症です。風邪(かぜ)に似た症状もありますが、より急激に発症する傾向にあり、高熱や筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感などが主な症状です。
毎年、世界中で少しずつ変異したインフルエンザウイルスによる感染症が冬から春にかけて流行することが多く、これを季節性インフルエンザと呼びます。
また、季節性インフルエンザと大きく性質が異なるインフルエンザウイルスが出現することがあり、これを新型インフルエンザと言います。
新型インフルエンザは、免疫を獲得している人が少なく流行しやすい病気です。しかし、多くの人が新型インフルエンザにかかることによって免疫を獲得することで流行は次第に収まっていき、新型インフルエンザは季節性インフルエンザへと移行します。
インフルエンザの治療には抗ウイルス剤が使われ、予防のためのワクチンもあります。
予防策は?
風邪(かぜ)もインフルエンザも主にウイルス感染によって引き起こされる病気ですが、どちらも飛沫感染と接触感染が主な感染経路です。そのため、手洗いやマスク、換気や加湿といった基本的な衛生習慣を身につけることや、免疫のはたらきを適切に保つことが重要な予防策です。
免疫機能の維持には規則正しい生活や適度な運動、バランスの良い食事を摂ることも重要です。また、最近の研究では、免疫機能の調節に役立つ乳酸菌があることがわかってきました。
乳酸菌 シロタ株が免疫細胞の一種、NK(ナチュラル・キラー)細胞の活性を調節するという研究結果もあります。
風邪(かぜ)の予防に
乳酸菌?
乳酸菌に風邪(かぜ)の予防効果があることをご存知ですか?
乳酸菌を継続的にとることで風邪(かぜ)の予防効果が認められた研究結果があります。
適度な運動は健康にいいと言われていますが、激しいスポーツによりウイルスへの抵抗力が低下することがあります。そのため、スポーツ選手は常に最適なコンディションを保ち、風邪(かぜ)などから身をまもるよう、細心の注意を払う必要があります。
唾液や粘膜に分泌されるIgA抗体は病原体の感染から私たちの体をまもってくれる強い味方ですが、スポーツ選手たちに乳酸菌 シロタ株を含む飲料を飲み続けてもらった結果、このIgA抗体の濃度の低下が抑えられ、風邪(上気道感染症)の発症リスクが低減することが明らかになりました。
それだけではなく、乳酸菌 シロタ株を含む飲料を飲んだグループでは、飲用試験期間中に咳などの自覚症状のあった回数が1.2回であるのに対し、乳酸菌 シロタ株を含まないプラセボ飲料を飲用したグループでは2.1回となっていました。
- Gleeson, M, et al. Daily probiotic’s (Lactobacillus casei Shirota) reduction of infection incidence in athletes. International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism. 2011, 21, 55-64.
手洗いなどの基本的な衛生習慣と、規則正しい生活に加え、乳酸菌を摂るなどの免疫機能を調節する習慣も取り入れることで、風邪(かぜ)やインフルエンザを予防していきましょう。