乳酸菌の
なぜ乳酸菌が
免疫機能を
ケアするのか?
糖類から乳酸を作る細菌を乳酸菌と言います。乳酸菌はヨーグルトや乳酸菌飲料、チーズや漬物、キムチなどの発酵食品を作るために利用されています。
一般的に、乳酸菌は良い菌を増やし悪い菌の増殖をおさえることで腸内環境を整える効果が知られています。
さらには免疫機能に影響を及ぼす乳酸菌があることもわかってきました。
免疫とは
免疫は、病原菌や毒素など体に悪いものが入ってきた時に攻撃したり、体の中の異常な細胞を見つけて排除したりと、悪いものを退治して体をすこやかな状態に保つためにはたらく機能です。
生活習慣が乱れたり、ストレスを感じたり、過度な飲酒や喫煙の影響を受けると免疫調節機能が乱れやすいと言われています。免疫機能を正常にするためには規則正しい生活や適度な運動、ストレスを溜めないことなどが重要です。
最近の研究では腸内環境と免疫機能に深いかかわりがあることもわかっています。
腸と免疫の関係
腸の中には細菌が約1,000種類、個数にして約100兆個も生息しています。この細菌の集まりが、さながら花畑のように見えるので『腸内フローラ』と呼ばれていますが、腸内フローラの中には体にいいはたらきをする良い菌、有害な影響を及ぼす悪い菌、そのどちらでもない菌の3種類がいます。
また、腸は体内最大の免疫器官とも言われており、免疫細胞の多くが腸内に存在しているため、腸内環境を整えることで免疫細胞が正常にはたらくようになったり活性化したりします。
例えば、糖を餌に乳酸をつくり出す乳酸菌は腸内を酸性にして悪い菌の増殖を抑えます。また、酪酸菌が作る酪酸も腸内を酸性にするだけでなく、免疫細胞の一種である制御性T細胞の増加を促し、免疫機能を正常にはたらかせる手助けをしてくれます。
このように、すこやかな腸内環境は免疫機能を維持する上でとても重要な存在なのです。
乳酸菌と免疫の関係
ある種の乳酸菌はNK(ナチュラル・キラー)細胞を活性化する機能を示すことが知られています。
NK細胞の強さをNK活性と表現しますが、乳酸菌の一種『乳酸菌 シロタ株』を継続摂取することで低下したNK活性を回復させることが近年の研究でわかっています。
乳酸菌 シロタ株特有の構造が免疫細胞を効果的に刺激し、低下したNK活性を回復させると考えられています。
注目される
『プロバイオティクス』
プロバイオティクスとは、FAO(国連食糧農業機関)/WHO(世界保健機関)の定義によると『研究の結果、十分量を摂取したときに宿主(ヒト)に有益な作用をもたらす効果が認められた生きた微生物』のことで、代表的なものに乳酸菌やビフィズス菌があります。これらを生きたまま腸にとどけることで、おなかの健康を守るだけでなく体本来の力を強めることができます。
『プレバイオティクス』と
『シンバイオティクス』
『プロバイオティクス』はヒトの健康の増進や維持に役立つ強い味方ですが、『プレバイオティクス』や『シンバイオティクス』によって、プロバイオティクスが持つ「おなかの健康を守る」働きが高まると考えられています。
プロバイオティクスは人に有益な効果をもたらす『菌』ですが、プレバイオティクスは一言で言うと「研究の結果、良い菌の餌となって腸内環境をととのえる効果が認められた難消化性の食品成分」です。
オリゴ糖や、ポリデキストロースやイヌリンといった一部の食物繊維がこれにあたります。
プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものを『シンバイオティクス』と言います。
乳酸菌は免疫機能の
強い味方!
乳酸菌の中にはおなかの調子を整えるだけでなく、免疫の調節などさまざまな作用に関する報告もあります。研究結果などを参照しながら、この健康の強い味方を積極的に取り入れていきたいですね。