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子どもの免疫機能を高めるカギは?

「赤ちゃんは抵抗力が弱い」「子どもはすぐに風邪をひく」などといわれますが、本当に子どもは免疫機能が弱いのでしょうか。また、風邪をひくと、「免疫が落ちていたから」などと言いますが、そもそも免疫機能とはどのようなものなのでしょうか?
子どもの抵抗力を高めすこやかに育てるために、親にできることは? 子どもの免疫機能を育てる生活習慣は? など、順天堂大学医学部教授でスポーツドクターでもある小林弘幸先生にお話をうかがいました。

小林 弘幸先生プロフィール

大事なのは、太陽のもとで泥んこになって遊ぶこと

今日は、子どもたちをどうしたらすこやかに育てることができるかについて、お話をうかがいたいと思っております。

それはかんたんです。太陽のもとで、泥んこになって遊ばせておくのが一番いいんですよ。今の子どもたちが、アレルギーが多いとか抵抗力がないとかいわれるのは、きれいすぎなんです。

「免疫」っていうのは、2つ良いことをやっていて、1つは病原菌などの敵が来たら攻撃すること。もう1つは、戦った敵を覚えておいて、次に同じものが来るときに備えること。これが、「自然免疫」と「獲得免疫」とよばれているものです。
自然免疫はもともとみんな持っているものですが、子どもが風邪をひきやすいなどといわれるのは、まだ、獲得免疫をもっていないからなんです。

そして、現代のように、自然に触れる機会が減り、外で遊ぶ子が減っていることが、今の子どもたちの身体に大きなダメージを与えていると思います。もっと自然に触れ、身体を使って外で遊ぶようにならないと、獲得免疫を得る機会が減ってしまうので、とても心配しています。

また、ストレスも問題です。オンラインゲームで遊び、ネットで交流することで、友だち関係についてのストレスがとても高まっているのも心配です。

子どもが、
風邪をひきやすい理由は?

子どもは風邪をひきやすいといわれますが、実際にそうなのでしょうか。

生まれたばかりの赤ちゃんは、母親の免疫機能をもらっているので強いんですが、その免疫機能は生後6か月くらいで弱まってきます。その後、自分で獲得免疫を持つようになるまでの時期、つまり、6か月くらいから獲得免疫がついてくる5歳くらいまでのころは、風邪をひきやすいということになるんです。
その獲得免疫をつけるべきときに、環境が清潔すぎていて、土に触れるような機会がないと、それが得られない。

それと、今はすぐに薬を飲ませてしまう。安易に抗生剤を飲ませると、とても大切な「腸内細菌」のバランスが変化してしまうのです。

大切なのは「腸」。
「免疫細胞」の半数以上は腸にいる!

では、のびのび外で遊ばせることのほかに、子どもの免疫機能を高めるためには、どうするのがよいでしょうか?

もう1つ大事なのは食事です。「免疫細菌」の半数以上は腸に存在するといわれていますから。免疫機能にとって大切なのは「腸」です。

腸の環境をよくするには、「発酵食品と食物繊維」です。子どものころから、発酵食品と食物繊維をたっぷり摂らせるようにするのが大切です。そうして腸内環境をよくしておかないと、免疫機能が落ちてしまいます。

免疫細胞の良し悪しを左右するのは
「自律神経」と「腸内環境」

「脳腸相関」という言葉があり、脳と腸、自律神経とおなかがつながっていると聞きますが、どのような仕組みなのですか?

緊張するとおなかが痛くなるなど、脳と腸はとても密接につながっています。

生物学的にも、先に腸があって、そこから脳ができていきます。脳がなくて腸しかない生物はいますけれど、脳はあるのに腸がない生物はいませんから。脳と腸がつながっているなんて当たり前なんです。頭で考えているように思っても、じつは、最初に腸が考えてその指令を脳に送っているという可能性だってあるわけです。

健康でいるためには、免疫機能が大切ですが、病原菌などと戦う免疫細胞に、どれだけ質のいい血液を送れるかが重要です。血液の質を決めているのは、たくさんの免疫細胞がある「腸内環境」、血液の流れをコントロールしているのは「自律神経」です。

だから、腸内環境と自律神経を整えると、自然と免疫機能が高まるわけです。

アクセルとブレーキの加減が大切

その自律神経のバランスが大切と聞きますが、どういうことでしょうか?

自律神経は、全身にある末梢神経の一種で、内臓や血管、呼吸など、生きるために必要なはたらきをコントロールしている神経です。そのうち、身体を緊張させて活動的にする「交感神経」と、逆にリラックスさせて休ませる「副交感神経」があります。
そのリズムとバランスがとても大切なんです。

免疫機能を高めるには自律神経のリズムを整えることが大切ですが、自律神経のリズムについても、現代の子どもたちの現状は心配です。
理想的なバランスは次の左の図のように、起きてから日中にかけて交感神経が優位になり、夜に向かって副交感神経が優位になる、交感神経と副交感神経が「1対1」になる形です。ところが、現代は、右の図のように、日中から夜まで交感神経が優位で、夜になっても副交感神経が優位にならないという人が多いんです。

残念ながら、子どもにもこういう傾向があります。

現代は、大人も子どもも、右の図のように、日中から交感神経が優位なまま夜を迎える人が多い。
(出典:小林弘幸 他, 『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』プレジデント社, 2020, 215p)

自律神経のリズムを整えるには?

親も子も、自律神経のリズムを整えるには、どのようなことに注意したらよいでしょうか?

基本的な生活習慣です。決まった時間に起きて、決まった時間に寝る、暴飲暴食をしない。朝食をしっかり食べる。大切なのは睡眠と運動。睡眠は、眠っている間に成長ホルモンが出るからです。その成長ホルモンが、傷ついた細胞を修復してくれます。
だから、とくに子どもは、よく寝かせて、ごはんをしっかり食べさせて、外で遊ばせておくのがいいんです。

とくに、朝食はとても大事です。僕は100%食べます。それも、起きてから1時間半以内に食べる。じつは、体内時計といわれる「時計遺伝子」というものがあって、そのスイッチを入れるのが朝食です。起きてから1時間半以内に食べないと、そのスイッチが入らないことがわかっています。そのスイッチが入らないと、身体が、夜から朝にならないんです。

朝食は和食がいいですね。そして大切なのはバランス。たんぱく質、脂質、糖質やミネラル、ビタミンなど、そして発酵食品と食物繊維。
発酵食品と食物繊維はとても大事です。1日1回はかならず発酵食品を摂るようにしましょう。バナナもいいですね。大腸の腸内細菌のえさにもなるし、GABA(γ-アミノ酪酸)も含まれるからメンタルも落ち着きます。

夕食は寝る3時間前までに済ませるのも大事です。その3時間は、腸が、食べた物を消化・吸収し、自律神経が落ち着くまでに必要な時間です。夜、お風呂に入るのも大切です。体温が1度上がるだけで免疫機能はぐっと高まります。

スマホやゲームなどとの付き合い方も注意が必要です。とくに寝る1時間以上前にはスマホなどから離れること。そうしないと自律神経が乱れてしまいます。それができず、今、子どもでも睡眠に障害が起きているケースがものすごく多いです。
睡眠時間は人によって必要な時間が違い、子どもは年齢によって違いますが、大人の場合は、おおよそ7時間くらいがいいといわれています。

「運動」と「よく噛む習慣」も大切

子どもをすこやかに育てるために、ほかに、どのようなことに注意したらよいでしょうか?

運動も大切です。運動は、腸を外側から整えるといわれています。腸を内側から整えるのが食事、外側から整えるのが運動です。全身を動かすことで血行がよくなり自律神経が整います。

とくに子どもたちは、身体を動かすことが大切です。さきほど話した泥んこになって遊ぶだけでなく、たとえば電車に乗るときも、駅ではエスカレーターは使わず階段を使う。電車に乗っても子どもは座らない。
その他では、電車の中で、親が立っていて健康な子どもが座っているのを見ると、この国の将来が心配になります。逆に両親が座って小さな子が立っているのを見ると、この家の教育はよくできているなと思います。そうしないと、子どもの足腰が弱くなりますから。

あと大切なのはよく噛むこと。現代人の噛む回数は、鎌倉時代の人の3分の1というデータもあります。噛む回数が減ると唾液の量が減る。そうなると、「IgA抗体」という病原菌などの侵入を防御する抗体の数が、ガクンと減ります。
そうすると、風邪をひきやすくなったり、ストレスに弱くなったりして、その結果、さらに免疫機能が弱くなるという悪いサイクルに入ってしまうんです。
だから、子どものときから、ちゃんと噛むという習慣をつけさせるのも重要です。

アレルギーには、腸内環境改善

病原菌と戦うのも免疫、アレルギーの原因も免疫といわれていますが、免疫細胞の別の側面についても、教えてください。

アレルギーは、制御が効かなくなった免疫細胞の過剰反応です。ある病原菌が侵入すると免疫細胞が指令を受けてそれを攻撃します。ところが、免疫細胞への指令がコントロールできなくなって、攻撃しなくてもいい細胞まで攻撃してしまうのがアレルギーです。

そこで、有用なはたらきをする腸内細菌がたくさんいれば、いくら攻撃されてもその有用な腸内細菌によってコントロールできます。でも、それが少ないと、免疫細胞が暴走しやすいんです。それで、身体がダメージを受けてしまう。その制御を行うのが、腸内細菌と関係のある「制御性T細胞」という免疫細胞です。

だから、アレルギーをよくするには、腸内環境をよくするのが一番なんです。

たとえば、花粉症は腸内環境を整えることで多くの人が治ります。僕自身も40代までの不摂生を改めて、腸内環境と自律神経を整えた結果、とてもひどかった花粉症がピタッと治りました。
今、スポーツ選手にも腸内環境改善を勧めて、しっかり摂取するようになることで、改善が見られています。
腸内環境はとても大切なんです。

ストレス回避は、あたたかい会話と
愛情に満ちたスキンシップ

今、子どもたちの免疫機能を高めるために、ほかに大切なことは何でしょうか?

ストレスが、いろいろな不調の大きな原因になっています。ストレスで腸内環境が悪化して、血流が減り、血液の質も悪くなり、外敵にうまく反応できなくなることで、アレルギーになってしまうということがあります。
今回のコロナ禍で、ストレスが大きくなっているので、アレルギー疾患が増えるのではないかと心配しています。

メンタルはとても大事ですね。人と触れることも大事。だから、会話はとても大切だと思いますよ。子どもでも、ストレスをどう回避するかはすごく重要です。

ストレスは、健康にとって一番の大敵です。

「オキシトシン」という物質があるんですが、これは、愛情によって増えていく物質です。このオキシトシンは、腸の神経細菌に指令を出したり、自律神経を整えたりするはたらきがあるんです。
これが減ることで、免疫機能が減ってしまうことがあります。体罰や暴力などを受けることでオキシトシンが減り、免疫機能が低下するということがあります。

だから、ハグがいい。愛情に満ちたスキンシップがとても大切です。

とても興味深く、わかりやすいお話をありがとうございました。このお話によって、子どもたちがより健康になれればと思います。

小林 弘幸(こばやし ひろゆき)

1960年生まれ。 順天堂大学大学院医学研究科・医学部教授。

1987年順天堂大学医学部卒業。1992年に同大学医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、2003年に順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。
2006年、同大医学部病院管理学研究室教授に就任、総合診療科学講座教授を併任している。専門は小児外科学、肝胆道疾患、便秘、Hirschsprung’s病、泌尿生殖器疾患、外科免疫学。日本スポーツ協会公認スポーツドクターでもある。
国内で初の便秘外来を開設した腸のスペシャリストであり、腸内環境を整える食材の紹介や、腸内環境を整えるストレッチの考案など、さまざまな形で健康な心と体の作り方を提案している。また同時に自律神経研究の第一人者として、スポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。
『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『医者が考案した「ラクやせみそ汁」』(アスコム刊)などのベストセラー著書のほか、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)や『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBSテレビ)などメディア出演多数。

COLUMN コラム

スポーツは、
力まずに「1対2の呼吸」で!

スポーツドクターとして、野球やサッカー、ラグビーやボクシングなどのトップアスリートたちの診療や治療、健康指導も続けておられる小林先生に、スポーツをがんばっている子どもに、どのようなことに注意したらよいかもうかがってみました。

「伝えたいのは、練習を重ね、力まないところまで到達することです。

僕も、中学時代は野球に明け暮れていましたが、たとえば、ピッチングをしていて、最初は力んで投げますが、練習を重ねて疲れてくると、力みがなくなりムダな力がなくなる。そうするといいフォームで投げられるようになるんです。究極に疲れたときに、むしろ自律神経が整うんです。

野球でも水泳でも、練習を重ねて力まないところまで到達すると、いいフォームが生まれます。リラクゼーションが大事です。

そして、どのスポーツでも大事なのは呼吸です。自律神経を一気に整えるのは呼吸しかないんです。

オススメは「1対2の呼吸」。3秒間ゆっくり鼻から吸って、6秒で口から吐くという呼吸です。それを1分間やっただけで、身体はガラッと変わります。深いため息のような呼吸ですね。

子どもには、呼吸の大切さを教えてあげるべきです。とくに緊張していろいろなことにうまく対応できない子には、それを教えてみてください。

じつは、首の頸動脈のところに自律神経のセンサーがあって、息を吐くことでそこが刺激され、自律神経が整うんです。ヨガや太極拳、拳法などでも、吐く息を大切にしています。
呼吸はとても大事だということを、子どもたちにも教えてほしいですね。」

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