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おとなの健康図鑑VOL.1 eatrip主宰・料理人/野村友里

「おとなの健康図鑑」では、さまざまな職業や趣味を持っている人が登場。やりたいことに夢中になっているおとなたちの、「好き」を支える日々の健康習慣をご紹介します。
今回は、eatrip(イートリップ)の主宰で料理人の野村友里さんをピックアップ。レストランや食材店を運営しつつ、東京・表参道のビルにあるプチ農園で果物や野菜・ハーブを育てるなど、多忙な日々を過ごしています。食にまつわる仕事を20年以上続けてきた野村さんの、健康の秘訣を伺いました。


食との接点をつくることが、私の仕事

今、どのような仕事をされていますか。

野村友里さん(以下、野村):「restaurant eatrip(レストラン イートリップ)」や食材店「eatrip soil(イートリップ ソイル)」の運営のほかに、ラジオ、雑誌の連載など、食に関わる仕事を続けています。もともとは母が料理好きで、食べることが身近にあったせいか料理に興味を持つようになりました。今も食との接点とつくりながら、料理をつくることと食べることの楽しみを伝え続けています。


私の健康習慣01:好きな環境をつくること

そのようにお忙しい中で、野村さん自身が健康のために気をつけていることや習慣にしていることはありますか?

野村:料理をするという仕事は、見かけはいろいろなイメージを持たれるかもしれませんが、仕事にするとすごく体力を使うんです。水場も多いし、重い物を持つこともあって、かなり過酷です。頑張る人ほど自分のことを二の次にして体を壊すこともあります。好きなことを仕事にしていればストレスは少ないけど、それができないときに人間関係とか距離感とか不得意なことがあったりとか、好きなこと以前にぶつかる壁があって、それがストレスになることが多いように思います。

そんなときは、なるべく「好きな環境」をつくるようにするといいですね。「eatrip soil」は、私が使っている物やsoilのメンバーがいいなと思った物を販売する食材屋さんです。でも品物を売るだけじゃなくて、週に2回、漢方と精神科の先生をお呼びして、心と体のメンテナンスについてワークショップをしています。ほかにも、音楽のライブやお絵描き教室、朗読会をしたりと、食とは直接的に関わりがなさそうなこともします。

それから、ベランダに農園があるので、そこで土いじりをしたり風に吹かれたり。この農園は土を入れるところから始めました。土の厚さは30cmしかないので内包する水が少なく、朝夕に必ず水まきをします。土づくりは農家さんの土づくりと同じで、除菌を優先するのではなくていい菌をいかに取り入れるか、が大事。体の中の仕組みとつながっていますよね。

漢方のワークショップをしていると話しましたが、漢方も実は土づくりと一緒で、体の中に水が溜まってしまうとむくみが出たりと調子が悪くなってしまいますし、水が足りないとそれはそれでよくないです。漢方を飲んで治すという発想ではなくて、水や食事を含めて何を取り入れるかという両方からのアプローチが必要かなと思います。

「eatrip」があるこの場所は高台にあって風がよくとおります。渋谷のビル群が見えて眺めもいいし、光を浴びたり風を感じたりして気持ちを開放する糸口をつくるのも大事だなと感じます。こうしたいろいろなことが複合的に関わっていって、すべてがつながっているんですね。


私の健康習慣02:一日一食、自分のご褒美時間をつくること

毎日バタバタと過ごしていて、きちんと食事をしたり、好きな環境をつくるのが難しかったりもします。

野村:であれば、一日一食だけでも自分のご褒美時間みたいなのを持てるといいなと思います。朝昼晩、好きなものを並べるのは難しいかもしれません。でも全部手作りじゃなくてもよくて、お気に入りの何か、料理でも器でもいいし、向き合う時間が満たされるようなものがあれば。

接待か何かですごくいいものを食べていても、苦手な人との食事だと気をつかいすぎて食べた気がしないですよね(笑)。食事の環境も大事だし、とってもおいしい空豆とかアスパラガスとか、たった1つの野菜を口に入れるだけで幸せになれてしまうことがあります。食事は自分が自由に選べて使える時間なので、究極においしいお豆腐!のように、超お気に入りを買ってみるとか。

その後で、体の反応をよく見ることです。食と合うと体が喜ぶことがありますが、たとえば喉が乾いたときのビールが心の底からおいしいなあと感じるのはそういうことで、生理的要求と心と体が合うときの感覚はたまらないですね。食べているときというのは自分と向き合う時間なので、いい時間になるように誰にも気がねせずに楽しんでください。


食の楽しさを発信し続ける

これからやりたいこと、挑戦したいことはありますか?

野村:9月から2か月間、「eatrip soil」が入っている表参道のGYRE(ジャイル)で、衣食住のイベントをする予定です。今年はほかにも、子ども向けの料理本を出したりYouTubeを始めたりと、いろいろな形で日本食の魅力を発信しています。
私は計画どおりにいくタイプじゃないから遠回りすることが多いのですが、計画がすべてじゃなくて、やりたいこととか疑問があったときに自然と次への扉が開かれます。それは、疑問をなるべく流さないようにしておいたからかもで、全部、好きなことだから苦労しているとは思わないし、やりたいことが全部つながっているなと感じています。

野村友里(のむらゆり)

eatrip主宰・料理人。ケータリングフードの演出や料理教室、雑誌での連載やラジオ出演などに留まらず、イベント企画・プロデュース・キュレーションなど、食の可能性を多岐にわたって表現している。2012年に「restaurant eatrip」(原宿)を、2019年に「eatrip soil」(表参道)をオープン。生産者、野生、旬を尊重し、料理を通じて食の持つ力、豊かさ、おいしさを伝える活動を続ける。

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