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夏休み自由研究、微生物を培養してみよう

見えないけれどそこにいる

私たちのまわりには、目には見えないくらい小さな生きものがいます。カビや細菌、ウイルス、プランクトンなどは「微生物」とよばれているものたちです。
そのなかでウイルスはちょっと特殊で、ほかの生物の中でしか増殖できず「生物と無生物の間」といわれています。
いっぽう、細菌はれっきとした「生物」で、人によいはたらきをしたり反対にわるさをしたりと、いろいろな性質のものがいるけれど、私たちのまわりにも腸の中にもとてもたくさんいて、元気に生きています。
そんな小さな共同生活者たちのすがたを見る実験してみませんか?

身近な材料でo.k. 夏は培養も簡単

実験は、意外と簡単です。微生物を増やすための培地(ゼリー)をつくり、そこに発酵食品などを塗って、温かい場所に置いておくだけ。
数日後、見えなかった小さな生きものたちが増殖し、すがたを現してびっくり!また、梅干しやニンニクが、微生物の増殖を抑える力をもつことも見ることができます。

材料を用意して、レッツ トライ!

〜用意するもの〜
(道具)
なべ
へらやお玉などかき混ぜるもの
シャーレか小さな密閉容器を数個
消毒用アルコール
綿棒やつまようじ、割り箸(いずれも、できれば個包装されたもの)

道具

(材料)
粉寒天 10g
砂糖  10g
コンソメの素 10g
お湯  500cc
ヨーグルト、乳酸菌飲料、味噌、納豆、塩麹、ドライイーストなどの購入した発酵食品

発酵食品

培地の材料

〜培地をつくる〜

  1. 器具はすべて消毒用アルコールでふいておく。
    なべに、固めるための粉寒天、菌の栄養になる砂糖とコンソメの素を入れ、お湯を注ぎ、ゆっくり混ぜながら加熱する。(やけどに注意)
  2. すっかり溶けたら火を消し、粗熱が取れたら、シャーレか密閉容器に深さ1〜2cmほど入れ、すぐにフタをする。これをいくつかつくる。
  3. 涼しいところで冷まして固める。

〜実験〜

  1. 培地の上に、綿棒やつまようじ、割り箸などを使って、乳酸菌飲料や納豆のネバネバなどを塗る。(綿棒などは、その都度捨てること)
  2. 用意できたら、フタにつく水蒸気などの水分が培地につかないように、密閉容器を逆さまにして、何を塗ったかメモをつけ、温かい場所に置く。発酵の温度は30〜37℃くらいが最適。
    ※気温が低い場合は、発泡スチロールの箱などに、お湯を入れたペットボトル、温度計などとともに入れておき、お湯が冷めたら交換するとよい。
  3. 2〜3日したら、フタを開けて観察!1週間後、さらに変化を観察!
  4. あれば、虫眼鏡やルーペで拡大して見てみよう!

※実験の前後には必ず石けんで手を洗おう。
※実験で使用した食品は口に入れないようにしよう。
※実験が終わったら、培地は直接さわらず、ビニール袋に入れて各地域のごみ分別のルールにしたがって捨てよう。

コツは、
・容器を逆さまにするので、塗った物が落ちないように気をつける。
・いずれも、作業後すぐに容器のフタをして、雑菌が入らないようにする。
・温度が高すぎると逆さまにした培地がフタに落ちるので注意。
・ニンニクや納豆などは、発酵が進むと匂いが強くなるので、ファスナーつきの密閉保存袋に入れるとよい。

生きた微生物のすがたを見る!

培地の上には、今まで見ることのできなかった、さまざまな細菌など微生物のすがたを見ることができます。

夏休みの自由研究にぴったり!親子で一緒に楽しんでみませんか?

COLUMN コラム

命を救う小さな生きものたち!

1928年、イギリスの細菌学者、アレクサンダー・フレミングは、細菌を培養していたシャーレの中に、うっかりカビを生やしてしまい、それが抗生物質の発見につながりました。その抗生物質で、多くの命が救われるようになりました。

日本の化学者、大村智氏は、45年以上地道に微生物の研究をつづけ、さまざまな場所の土を採取。とうとう、新たな細菌から、難病を起こす寄生虫に効く物質を発見。アフリカや中南米の難病を撲滅しました。フレミングは1945年、大村氏は2015年、ノーベル医学生理学賞を受賞しました。

カビや細菌、ウイルスには、有害なものもありますが、命を救ってくれるものもあります。いま、地球上に存在するそんな小さな生きもののうち、私たちが知っているのはほんの少しだけです。これからも新たな強い味方が発見され、難病などの解決につながるといいですね。

乳酸菌といえば「シロタ株」