はじめに
第2四半期までの連結全体の決算についてですが、売上高、各段階利益は前年を下回りました。
セグメント別では、日本事業は減収減益となりました。
ヤクルト1000シリーズをはじめとする乳製品全体の販売本数が、計画および前年実績をともに下回ったことが主な要因です。
一方、海外事業の販売本数は前年を上回りましたが、原材料費、人件費、マーケティング費用などの営業費用の増加と為替のマイナス影響により、こちらも減収減益となりました。
通期業績予想については、下期における販売本数の巻き返しを見込んでいますが、上期の実績を踏まえた結果、通期の着地点を再評価し、売上高、営業利益、経常利益を下方修正することとしました。
上期の実績は目標を下回りましたが、下期の巻き返しに向けて、日本ではさらなる販売促進策や広報・広告展開を実施します。海外では米州地域の継続的な成長に加え、アジア・オセアニア地域の回復が見込まれることで、全体の業績を押し上げていきます。
株主還元について
配当については、「累進配当の考え方に基づき、継続的な増配を目指すことを最優先とする」という配当方針のもと、すでに発表しているとおり、中間配当金を前期と比べ1円増配の33円としています。
期末配当金予想は33円、年間配当金は前期と比べ2円増配の66円となる予定です。株主還元について、今後も常に意識していくことが重要と考えています。
各事業の取り組み
日本の飲料食品事業
上期における乳製品全体の1日あたりの販売本数は916万本、前年と比べて7%減少しました。
物価高騰による消費意欲の低下や他社商品の台頭などで、外部環境は一段と厳しさを増しています。ヤクルトレディによる拡販も計画していましたが、記録的猛暑の影響で活動が鈍化し、販売本数が伸び悩みました。特に販売本数の規模が大きいヤクルト1000シリーズおよびNewヤクルトシリーズについては、テコ入れが必要と考えています。
下期は、販売促進キャンペーンの実施、ヤクルトレディおよび店頭活動の活性化、エビデンス広告などの展開を通じて本数を押し上げ、通期の1日あたりの販売本数は930万本を目指します。
(ヤクルト1000シリーズ)
上期における1日あたりの販売本数は297万本、前年と比べて2.5%減少しました。
ヤクルト1000シリーズの急激な需要増加の反動もあり、販売本数は徐々に減少しています。今期は、宅配・店頭の両チャネルで糖質オフタイプの商品を展開し、新たなお客さまの獲得とさらなる成長を期待していました。しかし、既存商品からの切り替えが多く、お客さまの大幅な増加につながっていません。一方で、睡眠にお悩みを抱える方は多く、まだ当社商品をご愛飲いただけていない方に効果を実感いただくことで、新たなお客さま獲得の機会があると考えています。糖質オフタイプの商品の認知と理解は徐々に進んでおり、今は辛抱の時期ととらえ、根気強くお客さまづくりに取り組みます。
足元の状況を踏まえて、通期の1日あたりの本数目標を298万本に変更しています。
(Newヤクルトシリーズ)
上期における1日あたりの販売本数は279万本、前年と比べて10.6%減少しました。
2023年の価格改定以降、販売本数は減少しており、依然として下げ止まりの兆しが見えていませんので、早期に底打ちを図ることが重要だと考えています。回復施策の一つとして、2025年11月から海外でも販売しているピーチ味を採用した「Newヤクルト ピーチ味」を期間限定で発売しました。これまでと同様に、「乳酸菌 シロタ株」の価値訴求を土台としながら、興味を持っていただいたお客さまに対して、ヤクルトブランドの商品の毎日飲用を促すことで、販売本数の回復につなげていきたいと考えています。
足元の状況を踏まえて、通期の1日あたりの本数目標を284万本に変更しています。
(下期の主な活動)
2025年10月、ヤクルトブランドは「最大の乳酸飲料・乳酸菌飲料ブランド」として、ギネス世界記録に認定されました。これを受けて、国内のヤクルトシリーズではギネス世界記録認定を記念した特別パッケージを順次展開し、露出を増やしていきます。
また、宅配・店頭の両チャネルの活動活性化に加えて、創業90周年を絡めたキャンペーンの実施、広告では受験応援やエビデンス訴求など、多面的な施策を並行して展開し、通期目標の達成を目指します。
海外の飲料食品事業
2025年7月から9月における、海外全体の1日あたり販売本数は、前年を0.5%上回り、5四半期連続で前年同期比プラスとなりました。全体的に底打ち感が出ており、これから回復フェーズに向かい、実績を徐々に引き上げていきたいと考えています。
(アメリカ)
カリフォルニア州にある第1工場の稼働率は非常に高く、供給量は限界に近づいています。足元の販売本数は1日あたり約80万本まで増加しており、ジョージア州で建設中の第2工場が完成するまでは、現状の水準で推移すると考えています。そのため、積極的な販路拡大は難しい状況です。現在、約2万店舗に配荷していますが、これはアメリカのスーパーマーケット全体の半数も満たしていません。さらに、コンビニエンス・ストアなどの小規模店舗を含めると、今後10万店舗以上への配荷拡大が可能であり、市場のポテンシャルは非常に高いと考えています。
第2工場の稼働後は、まず既存商品の供給体制を強化し、その後、新商品の展開を進めていきます。今期は、少量ながら香港やシンガポールにおいて、日本から空輸した「Y1000」の販売を開始しました。お客さまからの反応は良好で、海外でもニーズがあることが確認できました。アメリカ市場においても、ヤクルト1000シリーズのような高付加価値商品の展開を、比較的早い段階で実現できるように進めていきます。
(メキシコ)
足元では、景況感の悪化の影響を受け、販売本数が一時的に減少しています。そこで、販売促進の一環として、中国などで成果を上げている普及型商品の横展開を進めています。2025年9月から店頭、10月から宅配チャネルで「ヤクルト マスカット風味」の販売を開始しました。この新商品がお客さまの興味を引き、商品を手に取るきっかけを作ることで、販売本数の押し上げに貢献すると考えています。
進出から時間が経過し、商品の理解や浸透が進んでいますので、販売本数の停滞が長期化することはないと見ています。
(ベトナム)
2025年4月と5月に各チャネルで価格改定を実施しましたが、販売本数は現在も1桁後半の伸長を維持しています。2024年4月に発売した「ヤクルトライト」が好調に推移しているため、前年の販売実績が高い水準となっていますが、今期はその高いハードルを確実に超えています。
販売地域の拡大や、店舗あたりの販売本数の増加といった深掘りの余地は依然として大きく、今後も高い成長ポテンシャルを持つ事業所です。
(中国)
景況感の悪化に伴い、消費の低迷が続いていますが、営業施策を積極的に展開しており、その成果が着実に表れています。
2025年1月から6月までの実績は、前年と比べて+4.8%でした。直近の7月から9月の実績も前年を5.2%上回り、5四半期連続で前年同期比プラスとなりました。2025年4月に発売した「ヤクルト マスカット風味」も、全体の押し上げに貢献しています。
また、生産体制の最適化と経営資源の効率的な活用を目的として、2025年11月末に広州第一工場を閉鎖する予定です。これにより、中国全体の工場稼働率が改善され、固定費の削減を通じて、利益創出につながります。
今後も、短期的な施策と中長期的な取り組みを並行して展開し、結果を評価しながら施策を見直し、より効果的な活動を継続していきます。
(インドネシア)
2025年1月から6月までの実績は、前年を下回っていましたが、直近の7月から9月の実績は、前年を3.2%上回り、14四半期ぶりに前年同期比プラスとなりました。2025年6月に発売した「ヤクルト マンゴー風味」も、全体の押し上げに貢献しています。現在は、スーパーマーケットへの配荷促進、SNSを活用したキャンペーン、ECサイトでの販売に加え、給食市場などの新たなチャネル開拓にも取り組んでおり、多面的な活動が活発化しています。
まずは、四半期ごとに前年を上回る実績を継続的に積み重ねることで、少しずつ底打ち感が出てくると考えています。
結び
最後になりますが、当社を支えるステークホルダーの皆さまのご期待に応えるべく、今後も積極的に取り組んでまいります。皆さま方には、引き続きご指導ご鞭撻のほど、お願い申しあげます。
株式会社ヤクルト本社
代表取締役社長
成田 裕