人も地球も健康に Yakult

今後の経営展望について

~2011年3月期 通期 決算説明会 5月13日 (抜粋)~

はじめに

本日、東京証券取引所におきまして、平成23年3月期決算を発表させて頂きました。
本題に入る前に、先ず3月11日の「東日本大震災」で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災され、不自由な生活を余儀なくされておられる方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。

震災の影響について

さて、今回の大震災により、東日本地域のヤクルトグループも大きな被害を受け、亡くなられた方、行方不明の方がおられるだけでなく、負傷されたり家屋などを失った方も大勢いらっしゃいます。また、ヤクルト本社福島工場、子会社の岩手ヤクルト工場の建屋や製造ラインも損傷を受けるとともに、販売会社においても津波によるセンターの流失被害がでています。また他社と同様に製品原料や副資材の調達にも影響を受け、円滑な企業活動の妨げとなっております。
しかしながら、このような状況においても私たちヤクルトグループは、いささかも悲観することもなく、全員が一丸となって、復旧・復興活動、支援活動を展開しております。
この点、皆様におかれましてはご安心いただきたいと存じます。

各事業部門の取り組みについて

国内・飲料食品事業について

生産面では、被災した二つの工場のうち、ボトリング工場の「岩手ヤクルト工場」の再開が、少し早まり、5月16日から稼働できます。また、ヤクルト原料液やソフールを製造しています福島工場は、6月中に一部、生産を再開させるべく、突貫工事を進めております。
販売面においては、岩手県、宮城県、福島県管内の販売会社が大きな影響をこうむりました。しかし、復旧に向けた取り組みにより、これらの被災地域の販売会社でも、風評被害をも乗り越え、順次、ヤクルトレディによる営業活動が、始まっております。
なお大震災に伴う全国的な営業活動の自粛は、4月までとし、今後は、地域の状況を判断しながら、これまで通り、乳酸菌シロタ株やビフィズス菌ヤクルト株の商品価値を一人でも多くの方々にお伝えしていく活動を始めていきます。

医薬品事業について

当社の医薬品事業は、大腸がん治療薬の「エルプラット」が中核商品となっておりますが、大震災による業績への大きな影響は受けておりません。
「エルプラット」は、進行・再発大腸がんにおける抗がん剤治療のキードラッグとして高い評価を受けています。
そして、手術後の再発を抑え、がんの完治を目指すFOLFOX(フォルフォックス)による「術後化学補助療法(アジュバント)」での展開も広がりを見せています。
今後は、昨年の6月に、中外製薬と共同で申請を行ったアジュバントでのXELOX(ゼロックス)療法が承認されますと、患者の負担が軽減され、よりアジュバント治療の拡大が見込まれます。
また、エルプラットの適用拡大として推進しております「胃がんの第3相臨床試験」は、2年目を迎えました。臨床データも確実に積み上がっており、2012年12月ごろまでには申請ができるのではと期待しております。

そして、ポスト・エルプラットについても、すでに、ニュース・リリースでご紹介していますように、多くの案件の準備を進めています。今後も「良い」案件については、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
「良い」と言えば、エルプラットの点滴液剤に関する特許期限の延長が認められたということをお伝えしなければなりません。
今までは、液剤の特許期限は、2015年7月まででしたが、このたび、2020年1月までの、約5年弱の期限延長が当局から、認められました。これは「良い」話でしょう。

化粧品事業について

かねてより本格的な事業構築を進めてまいりましたが、昨年からは地上波でのテレビコマーシャルを行うなど、消費者に対するブランド浸透に向けた展開を行っています。
販売チャネルについては、訪問販売が中心ですが、インターネットによる通販や店舗販売など、将来に向けた新しい販売チャネル作りも怠ることなく推進していきます。

国際事業について

まず最初に、原発の放射能問題により、海外では日本製品を回避する動きも聞かれますが、当社商品については、各国で生産し販売を行っている為に、事業活動への影響は生じておりません。
このことを最初にお伝えしておきます。
それでは、主な国の状況について、お話しいたします。

中国

昨年度は、上海において一部の量販チェーン店との契約更新が滞ったことから、半年ほど商品納入が止まり、販売数量に影響が出ました。しかし、今年は、このような問題もなく、中国におけるヤクルト事業は、きわめて順調に進展しています。
販売数量の増加に伴う商品供給については、広州と上海にある2つの工場において増設工事を行い、生産数量の増大を図ります。
一方で、かねてより建設を進めてきました中国第3の工場となる「天津工場」も最終段階に入ってきております。今後は、官庁の許認可を受け、秋口には生産を開始し、中国での日産300万本体制を整えます。

インドネシア

昨年は、店頭チャネルでの納品店舗数が、15%増加し、8万2千店を超えてきました。また、宅配チャネルでは、ヤクルトレディ数が昨年に比べ40%も増え、3千名を超えるなど、販売組織の充実に拍車がかかっています。
今年も、インドネシアの成長は、期待できます。

メキシコ

メキシコ経済は、輸出産業が好調に推移し、プラス成長となりましたが、残念ながら内需の伸びは、いまだに本格的な回復には至っていません。
しかし、当社では、販売体制の強化を着実に進めています。首都のメキシコシティーでは、市場を細分化し、顧客の掘り起こしを図っています。また、同時に、未開拓の地方都市への販売拡大を進めています。
このような努力もあり、1月から3月までの販売実績は、7%台の伸びを示しており、少し回復の兆しが出てきたと見ています。

代表取締役の異動および執行役員制度の導入について

さて、話は替わりますが、このたび、ヤクルト本社の社長職を専務取締役の根岸孝成(たかしげ)に譲り、私は、代表取締役会長でCEOに就任することが内定いたしました。
私は、平成8年に社長就任以来、15年間にわたり、当社グループの負の遺産を一掃し、様々なコーポレートガバナンスの改革を実施し、21世紀における持続的成長の土台づくりを果たしてきたと思っております。
そして、今が、社長交代の絶好のタイミングだと判断いたしました。今後は、新社長をサポートして、更なる業績向上にまい進していきたいと考えています。

また、執行役員制度については、コーポレートガバナンスの一層の充実を図る上で、避けては通れない道だと思い準備を進めてきました。そこでこの機を捉えて導入を決断いたしました。
正式な導入日は、6月22日の定時株主総会ならびに同総会終了後の取締役会後といたします。

おわりに

すでに大震災から2ヵ月を過ぎた今も、たび重なる余震、福島原発の放射能問題など、人心の落ち付かざるところではありますが、ヤクルトグループも、皆さんと共に、未来に向けて、まい進して行きたいと強く思っております。
また、被災された地域が一日も早く復旧・復興をとげ、そして不自由な生活を余儀なくされている方々が、従来と変わらぬ健康で明るい生活を取り戻すことができますよう、精一杯のご支援をしてまいりたいと存じます。
ありがとうございました。

株式会社ヤクルト本社
代表取締役社長
堀 澄也

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