特集2 地域社会


地域に密着して女性の就労を支援

ヤクルトグループでは、商品の特長を十分ご理解いただきたいという考えから、詳細にお客さまに商品の説明ができる「宅配」を流通形態の一つとしており、ヤクルトレディを積極的に採用しています。インドネシアヤクルト株式会社では、ヤクルトレディが速やかに仕事を習得し、大きな収入を得てさまざまな面でひとり立ちできるよう、きめ細かな指導・育成を行っています。

ヤクルトレディの活躍が事業拡大のカギ

インドネシアでは、都市部においてはさまざまな形で女性が就労していますが、高等教育を受けても女性は結婚をしたら専業主婦になるものだ、という考え方が残っており、女性が積極的に就労できる環境にはなっていません。また、本人の意思と反して家族の反対にあい、やむなく退職するというケースも多く見られます。

人口2億5千万人を擁するインドネシアは、ヤクルトの事業にとって魅力的な市場です。店舗での販売(直販)とヤクルトレディによる販売(宅配)の2つの販売形態がありますが、当初は店舗での販売を主体として実績を伸ばしていました。しかし、インドネシアでは乳酸菌や「腸の健康」の大切さはあまり知られておらず、商品の特性を深くご理解いただくためにもヤクルトレディによる販売強化が不可欠と考え、2008年からヤクルトレディ数を増員し、教育体制を刷新しました。その結果、売り上げは順調に伸長しています。

地域に密着した採用活動でヤクルトレディが“誕生”

ヤクルトレディはそれぞれ担当するエリアを決めて販売活動を行います。そのため、ヤクルトレディの採用では「地域密着」を重視しています。広告等での募集はしておらず、社員が販売を行うエリア内のご家庭を一軒一軒訪問し、候補者を探していきます。採用時はご家族にも仕事内容を詳細に説明し、納得いただいています。一人のヤクルトレディを採用するのにかかる期間は平均して2週間。こうした地道な採用活動により、地域の顔となるヤクルトレディが誕生します。

採用活動の様子
日本人社員と現地社員がコンビを組み、丁寧に仕事内容を説明する

ヤクルトレディが安心して楽しく働ける環境を整備

昼礼ではさまざまな情報を共有

ヤクルトレディの多くは子どもを持つ主婦です。家庭と仕事を両立できるよう、担当エリアは自宅のすぐ近くに割り当てています。さらに、ヤクルトレディの事務所と宅配拠点であるセンターには女性社員が常駐しており、販売に関する質問や悩み事はもちろん、家庭での悩みなどに対してもきめ細かくフォローしています。

センターでは毎日、朝礼ならぬ「昼礼」を実施しています。昼礼にはエリアのヤクルトレディが全員出席します。日々販売現場で起きている情報を共有するほか、ロールプレイングによる対話スキルのブラッシュアップや商品知識を深める勉強会などを行い、モチベーションや一体感を喚起するとともに、販売員としての能力アップにもつなげています。

活気ある楽しい雰囲気づくりも重視しています。センターではそれぞれの目標を壁に貼り、色とりどりに飾りつけをしています。月1回はヤクルトレディたちによる昼食会も行っており、楽しく働ける職場環境になっています。昼礼の閉会の際にはオリジナルソングを合唱し、自分たちへのエールとしています。こうした雰囲気づくりが、明るく元気にお客さまと接する原動力にもなっています。

センター以外でも、研修やイベントによってモチベーションを高めています。就店3か月時には工場でフォローアップセミナーを実施し、コミュニケーション能力の向上を図るとともに、他エリアのヤクルトレディとも交流します。年1回開催されるセールストークコンペでは、日々の成果を十分に発揮し、楽しみながら競い合う姿が見られます。

これらの取り組みの結果、ヤクルトレディからの「楽しく安定して働けます」といった声は多く、定着率は年々高まってきています。
 インドネシアヤクルトではこれからも、事業活動を通じて現地の女性が活躍できるよう、取り組みを推進していきます。

フォローアップセミナー

明るく活気あるセンター

VOICE

インドネシアヤクルト株式会社
Marketing Advisor
長谷川 麻弥
(株)ヤクルト本社から出向、2012年からインドネシアヤクルト勤務

現地の社員と一緒に仕事に取り組む(協働)ことを意識しています。現地社員の能力を生かし、日本人社員が交代しても組織力を維持できるよう、いかに強固な現地社員の組織をつくるかが重要だと考えています。

仕事では状況に応じて判断・決断する権限を与えられており、自分で考えたことをどんどん試せるのでやりがいを感じています。

インドネシア人は人が良くおおらかな一方、マイペースな面もあります。それぞれの個性を尊重し、お互いが気持ちよく仕事ができるよう、早め早めに動くこと、きめ細かにコミュニケーションをとることが必須だと感じています。


インドネシアヤクルト株式会社
Sub Supervisor
Ade Susi
Handayani

(アデ スシ ハンダヤニィ)2007年から勤務

前職でも営業の仕事をしており、またヤクルトは以前から飲用していて親しみを持っていたため就職を決めました。

ヤクルトレディを採用する際には、本人のやる気を考慮し、長くヤクルトレディの仕事を続けてくれる人を採用するようにしています。十分な収入を確保できる売り上げを立て、経済的にも、精神的にもひとり立ちできるよう、一人ひとりに合わせた指導で能力向上を図っています。

この仕事の魅力は、現場では多くのお客さまに、会社ではさまざまな個性を持つ社員やヤクルトレディに出会えることで、日々刺激を受けています。


ヤクルトレディ
Budiyanti さん
(ブディヤンティ)
ヤクルトレディ歴7年、
4人の子どもの母

ヤクルトレディになったことで家計に余裕ができました。子どもにより良い教育を受けさせたいという想いを持って、日々頑張っています。

収入を得ることの喜びはもちろん、お客さまと良い関係を築き、時にはやさしい言葉やお気遣いをいただくことも励みになっています。これからもお客さまの健康に貢献できるよう、毎日元気にヤクルトをお届けしていきたいと思います。

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