イノベーションマテリアリティ

ヤクルトのアプローチ

ヤクルトグループが持続的成長を続けるために、これまで培ってきた生命科学の追究を基盤とした商品開発のさらなる推進や、新たな価値を提供するサービスの創出が必要不可欠だと認識しています。ステークホルダーの声を聴きながら、社会課題の解決に貢献するイノベーションを生み出し、ヘルスケアカンパニーへの進化につなげていきます。

担当役員メッセージ

取締役 専務執行役員 研究開発本部長 石川 文保

創始者 代田 稔の想いから生まれたイノベーション

ヤクルトの事業は20世紀初頭、創始者の代田 稔が感染症で命を落とす子どもたちに胸を痛め、病気にかかってから治療するのではなく、病気にかからないようにする「予防医学」を志し、微生物研究の道に入ったことから始まります。その後、乳酸菌に着目し研究を続けた結果、乳酸菌飲料「ヤクルト」が誕生しました。治療医学が主流の時代に、「予防医学」という新しい視点で、新しい価値を提供したことは、まさにイノベーションの創出でした。
これは日本にとどまることなく、世界に広がり続け、現在では日本を含めて40の国と地域でヤクルトの乳製品をご愛飲いただくまでになりました。私たちのイノベーションに基づく商品やサービスをとおして、世界の人々にヤクルトの価値を提供できることは大変喜ばしく、私たちの励みとなっています。

時代にあった「価値」を創造し続ける

常に社会の課題を考えながらお客さまに受け入れられる商品価値を創造し続けることが、我々に課された使命の一つであり、世界の人々の健康に貢献するための重要な手段であると考えております。
時代の変遷とともに、人々が求める「価値」も常に変化し続けます。脳と腸が互いに影響し合うという「脳腸相関」に関する研究が注目されはじめていた時期に、当社においても、それまでの基礎研究から「乳酸菌 シロタ株」を高密度にすることで、神経系に作用することが明らかになっていました。その後、研究開発を重ね生まれたのが、2019年に発売した「Yakult(ヤクルト)1000」や2021年に発売した「Y1000」です。一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」と「睡眠の質向上」の機能をもち、現代社会の健康課題であるストレスや睡眠に対してアプローチをする、従来品にはない価値を提供する商品です。
この商品に対する社会の評価は、我々の想像を超えるものでした。多くの方に新しい価値が受け入れられ、うれしい声を数多く頂戴しました。我々のイノベーションの成果が、現代特有の悩みを抱えた人々の健康に貢献できていることを改めて感じました。

これまでも、これからも、つくり続ける

当社が2021年度に定めた「Yakult Group Global Vision 2030」の定性目標の一つに、「一人ひとりに合わせた『新しい価値』をお客さまへ提供する」があります。
これまで培ってきた乳酸菌をはじめとする有用微生物の研究成果の活用や、マイクロバイオームの研究を推進し、外部リソースとの協働等による新しい可能性の追究を継続しながら、果敢にイノベーションにチャレンジし、世界に山積する健康課題、社会課題の解決につながる「新しい価値」の提供に努めてまいります。
そして、当ビジョンで定めた「世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーへの進化」を目指してまいります。

担当役員メッセージ

取締役 常務執行役員 医薬品事業本部長 伊藤 正徳

乳酸菌研究から始まった「医薬品」で、一人でも多くの人の役に立つ

ヤクルトの医薬品研究は、1978年に当社が保有するL.カゼイ・シロタ株※1に免疫賦活作用を介した抗がん活性があることが見出されたところから始まります。これを契機に、抗がん剤の開発研究を開始しました。その後、植物由来のがん化学療法剤「カンプト注(塩酸イリノテカン)」やがん化学療法剤「エルプラット(オキサリプラチン)」等、国内外で広く用いられる抗がん剤を開発してきました。
私たちの腸内細菌研究の成果が、今なお治療が容易ではない疾病に対して、少しでも治療の役に立てるのであれば、これほどやりがいのあることはないと思っています。
今後も、マイクロバイオームを活用した高付加価値医薬品の研究開発を行うとともに、人々の健康維持や医療現場での治療に役立つ製品の製造・販売を見据えた「メディカルバイオーム®※2」事業の実現に寄与することで、ヤクルトは医療・医薬の領域からも人々の健康に貢献し続けます。

※1 2020年4月以降はL. パラカゼイ・シロタ株に分類されています。

※2 Medical(医療)とMicrobiome(細菌叢)を合わせた造語(商標登録済)

貢献するSDGs

社会課題の解決に貢献

ストレス社会といわれる現代においてメンタルヘルスケアが重要視されています。このような状況の中で、腸内細菌研究においては脳と腸の相互作用である「脳腸相関」に腸内細菌が深く関与している(脳-腸-微生物相関)ことが明らかになってきました。当社は「乳酸菌 シロタ株」の腸内環境改善作用の研究をさらに発展させ、脳腸軸を介した機能性の検証研究を進め、対ヒト試験において「乳酸菌 シロタ株」の継続飲用によるストレス緩和および睡眠の質向上作用を実証。本機能性を有する機能性表示食品の開発を進め、研究の実用化につなげました。
高齢者施設を含む、給食利用者の栄養摂取をサポートするため、2020年3月に「ジョア」において栄養を強化するリニューアルを行うとともに、従来品より飲み切りやすい小容量の80mlタイプを新発売しました。また、同年4月には「きになる野菜(125ml)」において、栄養を強化した「1食分のマルチビタミン トマト&赤ぶどう」を新発売しました。

主な取り組み

人の健康に有用な菌の研究を進めています

中央研究所は、予防医学の見地からの腸内フローラ研究と、人の健康の維持増進に役立つプロバイオティクスの研究を活動の柱としています。日本および世界各地の人々の腸内細菌叢の違いや、疾病と腸内細菌叢の関わりなどを解明し、人々の健康づくりに役立てる研究を進めています。
その研究の一つとして、乳酸菌 シロタ株の継続飲用が一時的な精神的ストレスがかかる状況下での「ストレス緩和」「睡眠の質の向上」の機能を有することを確認し、1本(100ml)に乳酸菌 シロタ株を1,000億個含む乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」の商品化につながりました。

プロバイオティクス:十分量を摂取したときに宿主に有益な効果をもたらす生きた微生物のこと(FAO/WHOによる定義。2002)

腸内フローラ解析システム
「YIF-SCAN®

乳酸菌やビフィズス菌などの
微生物コレクション

ベトナム保健省国立栄養研究所との共同研究

ベトナム保健省国立栄養研究所との共同研究では、ベトナムの幼児を対象に「乳酸菌 シロタ株」を含む乳製品の継続飲用により、便秘および急性呼吸器感染症の発生抑制、下痢の発生が抑制される傾向を確認しました。この結果については、学術雑誌European Journal of Clinical Nutrition(2020年9月28日掲載)に報告されています。

イノベーションの詳細はこちら

CSR活動

ヤクルトグループの社会インパクト

CSRストーリー

トップコミットメント

CSRの考え方

ヤクルトグループのマテリアリティ

SDGsへの貢献

環境

社会

ガバナンス

トピックス

レポート・ブックダウンロード

GRI対照表

国連グローバル・コンパクト対照表

方針・規定一覧

外部からの評価