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ニュースリリース

ヤクルト本社とダノンによる2010年のプロバイオティクス研究助成受賞者が決定

2010.08.03研究開発
 株式会社ヤクルト本社(社長 堀 澄也)とダノン(フランス、会長兼CEOフランク・リブー)が設立した「グローバルプロバイオティクス委員会」では、米国内でプロバイオティクス研究に携わる若手研究者を対象とした研究助成を公募し、厳正なる審査の結果、以下の2名を2010年の研究助成受賞者として決定しました。

 この研究助成は、米国におけるプロバイオティクス研究の進展およびプロバイオティクス研究機関とのネットワーク構築を目的に、2008年から行っているものです。当社とダノンでは、今後も研究助成を継続的に行い、米国におけるプロバイオティクス研究の発展に寄与していきます。なお、研究助成受賞者と研究テーマの概要は、下記のとおりです。

 ※ 腸内細菌の基礎および、腸内細菌と健康や病気との関わりについての研究

 

1.研究助成受賞者と研究テーマ

(1) イアン キャロル博士(ノースカロライナ大学)

研究テーマ:「下痢型IBS患者における便中セリンプロテアーゼ活性および腸管透過性の亢進における腸内菌叢の役割」

 過敏性腸症候群(IBS) の発症原因は解明されていませんが、IBS患者の腸内菌叢には異常が認められることが明らかとなっています。本研究グループでは、それに関連する現象として、便中より検出される酵素セリンプロテアーゼ(FSP)活性が下痢型IBS患者では上昇することを明らかにしています。また、FSPが腸管透過性を亢進させることを認めています。本研究では、FSPの上昇、それに伴う腸管透過性の亢進が腸内菌叢とどのような関わりを持つのかについて検討します。したがって、この研究により腸内菌叢および便中セリンプロテアーゼ活性が、IBS診断に対するバイオマーカーとなり得る可能性があります。

 

 

(2) マイケル フィスクバッハ博士(カリフォルニア大学)

研究テーマ:「プロバイオティクス細菌から新規抗生物質を開発するための分子生物学的 アプローチ」

 プロバイオティクスと呼ばれる細菌の中には、抗菌作用を持つ物質を産生するものが存在します。この研究で期待されるのは、プロバイオティクス菌の産生する抗菌物質の構造と効果を理解するために重要なヒントを得られるのではないかということです。フィスクバッハ博士の研究を通じ、より有用で効果的な乳酸菌の同定に貢献できることが期待されます。

 

2.研究助成期間

 2010年7月から1年間

 

3.選考委員

 4名の選考委員が、新規性、独創性、発展性などの点から評価しました。

 W.アラン・ウォーカー博士(ハーバード医科大)

 メアリー・エレン・サンダース博士(国際プロバイオティクス&プレバイオティクス科学協会)

 バルフォア・サルトル博士(ノースカロライナ大)

 リチャード・ゲラン博士(バージニア大)

 

4.研究助成金

 1件当たり5万 USドル、総額で10万 USドルです。

 ヤクルト本社とダノンが半額ずつ助成します。

以 上

【参考】

1.グローバルプロバイオティクス委員会について

 世界中においてプロバイオティクスの認知・理解を協同で促進することを目的に、当社とダノンにより、2004年に設立されました。

 当委員会は、当社とダノンの両社から選任された合計6名(各社3名)の委員によって、年2回、日本とフランスで開催されています。

 

2.米国におけるヤクルト本社の事業展開について

 米国における「ヤクルト」の本格販売は、アメリカヤクルト株式会社が2007年にカリフォルニア州で開始しました。現在では、カリフォルニア州をはじめ、ネバダ州、アリゾナ州、テキサス州、コロラド州、ニューメキシコ州を中心にスーパー等の店頭で販売しています。2010年6月、今後の販売数量拡大に備えるため、カリフォルニア州に工場を建設することを決定しました。

 販売実績は、2009年度で9万本/日(前年比41%増)、2010年5月度で11万本/日と順調に伸長しています。

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