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ニュースリリース

肺癌を対象とした治療用抗体医薬開発における提携のお知らせ

2004年04月26日

 株式会社ヤクルト本社(社長 堀 澄也)は、この度、オンコセラピー・サイエンス株式会社(東京都港区、社長 冨田 憲介)と、肺癌の遺伝子発現解析研究より得られた癌関連遺伝子を標的とした癌治療用抗体医薬の研究・開発において提携しましたのでお知らせします。

 オンコセラピー・サイエンス株式会社は、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長 中村祐輔教授の研究成果を事業化する目的で設立されたバイオベンチャー企業で、東京大学医科学研究所と共同でヒト癌組織における遺伝子発現の研究を行い、癌治療に役立てる医薬品・診断薬などの研究開発を行っています。ゲノム研究の世界的権威で、癌遺伝子探索でも第一人者である中村祐輔教授は、約3万種類の遺伝子の働きをcDNAマイクロアレイで網羅的に調べ、多くの患者さんの癌組織で共通に発現が上昇し、正常重要臓器では発現が少ない遺伝子を解析する研究を行っています。これらの遺伝子の働きを抑制出来れば、癌細胞の増殖だけを阻害し正常臓器には毒性を示さない、副作用の極めて少ない、疾患選択性の高い新世代の癌抗体医薬の開発が可能となることが期待されています。

 今回の提携で、オンコセラピー・サイエンス株式会社は、肺癌の癌組織における遺伝子発現に関する研究を行い、癌の発生・進行に重要な役割を持つ遺伝子の情報の収集と、その機能解析を実施します。更に、それらの遺伝子情報をもとに創薬に適する膜発現遺伝子等*1を選択し、癌治療用抗体医薬の研究・開発を行います。当社はオンコセラピー・サイエンス株式会社が研究・開発した癌治療用抗体医薬を選択する独占的権利を有し、選択した抗体医薬の開発、製造・販売を行います。

 当社は従来から、医薬品事業の柱として抗癌剤の開発を位置づけてきました。特に当社が独自の研究で発見し、開発した「カンプト注(CPT-11)」は、従来の抗癌剤では効果が得られにくかった肺癌・大腸癌等の癌に対する高い効果を持つ、画期的な抗癌剤として世界的に高い評価を得ており、現在では国内ばかりでなく、アメリカやヨーロッパ等 世界のほぼ全域で大腸癌のファーストライン(第一次化学療法)の承認を取得し、世界で最も繁用されている抗癌剤のひとつです。また当社は、「カンプト注(CPT-11)」とともに大腸癌の標準的治療法として欧米で認知されているオキサリプラチンを日本で開発し、承認申請を既に行っています。

 肺癌は、悪性腫瘍のうち死亡数が最も多く、有効な治療法が確立されていない癌種の一つとして知られています。また、癌は複数の遺伝子異常の蓄積により発生するため、抗癌剤の研究・開発にはゲノムからのアプローチが最も有効であります。癌治療用抗体医薬の研究・開発を行うオンコセラピー・サイエンス株式会社と抗癌剤の研究・開発では実績のある当社との今回の提携により、極めて有望な新薬の迅速な開発が期待できます。

*1 膜発現遺伝子
3万数千個のヒト遺伝子は、その遺伝子産物が機能を示すためにそれぞれが細胞内の適切な場所に局在しなければなりません。膜発現遺伝子とは、その遺伝子産物が細胞の膜に局在する遺伝子であり、そのような遺伝子が抗体治療薬の標的となり得ます。

<参考>
・ゲノム創薬
 ゲノム創薬とはゲノム情報を利用して、新しい薬やより効果の高く副作用の少ない薬を開発することをいいます。

・cDNAマイクロアレイ
 マイクロアレイは、遺伝情報をつかさどるDNAの相補配列からなるDNA(cDNA)をガラスやシリコン製の小基盤上に高密度に配置(アレイ)したもので、マイクロアレイを用いると数千から数万規模の遺伝子発現を同時に観察することができます。ゲノム創薬において最も重要なことの一つは、創薬ターゲットとする分子の決定です。マイクロアレイは種々の病態に特異的な遺伝子発現パターン(プロファイル)を同定し、医薬品開発のターゲットを迅速に発見することを可能にします。

以 上

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