人も地球も健康に Yakult

強靭で持続可能な
サプライチェーンの構築
マテリアリティ

貢献するSDGs

安全な水とトイレを世界中に 働きがいも経済成長も つくる責任、つかう責任 気候変動に具体的な対策を 陸の豊かさも守ろう 平和と公正をすべての人に パートナーシップで目標を達成しよう

ヤクルトのアプローチ

世界中の人々に「安全・安心」で高品質な商品をお届けするためには、持続可能なサプライチェーンの構築が欠かせません。品質、安定供給、コストに加え、人権尊重・腐敗防止・環境負荷低減に向けてサプライチェーン全体として最適化を図りながら推進します。

主な取り組み

  • サステナブル調達の推進
  • 取引先との健全なつながり
  • 原材料の安定調達
  • 物流の最適化 など

ヤクルトグループCSR調達方針

CSR調達の基本方針
ヤクルトグループ CSR調達方針

ヤクルトグループは、人権、労働、環境、腐敗防止などにも配慮するCSR調達の重要性を認識し、取引先と連携・協力しながらサプライチェーン全体でCSR調達を推進します。

1法令遵守と国際行動規範の尊重

各国・地域の法令遵守はもとより、国際行動規範を尊重し、公正・公平な調達活動を推進します。

2人権・労働・安全衛生への配慮

児童労働・強制労働の排除および基本的人権を尊重し、労働環境や安全衛生に配慮した調達活動を推進します。

3安全・安心と品質の確保

コスト・安定供給はもとより高い品質と安全性の確保をめざした調達活動を推進します。

4地球環境への配慮

「ヤクルト環境基本方針」に準拠し、地球環境に配慮した調達活動を推進します。

5情報セキュリティの保持

調達取引に関わる機密情報は厳重に管理し正当な目的以外に使用しません。

6社会との共生

社会との共生に向けた社会貢献への取り組みに配慮した調達活動を推進します。

(2018年3月策定)

ヤクルトグループサプライヤーCSRガイドライン

「ヤクルトグループCSR調達方針」に基づき、ヤクルトグループにおいて実効性をもってサステナブル調達を推進し、持続可能な社会づくりに貢献するため、2020年7月に「ヤクルトグループ サプライヤーCSRガイドライン」を策定しました。当ガイドラインは、新規取引を開始する場合を含めた国内外の取引先に対して、責任ある調達活動に関する依頼事項をまとめたものです。
当ガイドラインの遵守に向けて、サプライヤー向けCSR調達方針説明会にて当ガイドラインの内容を説明しています。また、当ガイドライン記載の依頼事項については、アンケートや監査等を通じて取り組み状況を確認し、問題が確認された際には改善に向けて対応しています。
当ガイドラインを用いながら、ヤクルトグループ一体となってサステナブル調達を推進していきます。

サプライヤーとともに推進するサステナブル調達

ヤクルトグループは、サプライチェーンにおける人権、労働、環境、腐敗防止等に配慮する「サステナブル調達の推進」を、健康に役立つ商品の安定的な生産・販売や、持続可能な社会づくりに向けた重要テーマとして位置づけています。
サプライヤーの皆さまとの積極的なコミュニケーションを通じた協働により、サプライチェーン全体で社会・環境に与える影響への配慮やリスクを軽減し、社会の持続可能性を高めていきます。

「サプライヤーと取り組む持続可能な調達」解説動画(日本語版)はこちら

調達活動における森林破壊・土地転換ゼロコミットメント

地球温暖化、環境汚染、生物多様性の損失、資源の枯渇など、地球環境が危機的状況にある中で、「調達活動における森林破壊・土地転換ゼロコミットメント」に基づき、ヤクルトグループは地球環境やそれに支えられている人々の生活・人権に配慮しながら事業活動を行うこと、そして、いつまでも人と地球が共に暮らせる社会をつくることを追求していきます。

サプライチェーンにおける森林破壊リスクのある原材料を特定し、基本的方針、取り組みおよび目標を掲げながら、持続可能な調達を推進します。

取り組みおよび目標(KPI)

森林破壊リスクが高い原材料として、紙・パルプ、パーム油、大豆、乳製品(脱脂粉乳等)を特定し、それらの持続可能な調達について、対象範囲、目標・KPIを定め、サプライチェーンにおける責任ある調達を推進します。

※定量目標等については、継続的な取り組みの改善を図りながら、適宜見直し・更新を行います。

対象範囲 ヤクルトグループの食品・飲料、医薬品および化粧品の生産に必要な原材料調達に関わる国内外のすべての連結事業所
対象原材料 目標年度 定量目標
紙・パルプ 2025 紙製容器包装のために調達する紙・パルプ100%をFSC®などの国際認証品あるいは再生紙に切り替え
パーム油 2025 調達するパーム油100%をRSPO認証品(MB以上)に切り替え
2030 一次原料として調達するパーム油100%について生産地までのトレーサビリティを確立
大豆 2030 一次原料として調達する大豆100%について農家などの原料生産地までのトレーサビリティを確立
乳製品 2030 調達する乳製品(脱脂粉乳等)100%について酪農家などの原料採取地までのトレーサビリティを確立

森林破壊・土地転換ゼロに関する進捗

ヤクルトグループのサプライチェーンにおける森林破壊・土地転換の検証に取り組んでいます。

コミットメントに関する解説動画

当コミットメントに関連する取り組みの解説動画はこちらをご覧ください。

取り組み事例

~原材料~ RSPO認証取得・JaSPON加盟

「調達活動における森林破壊・土地転換ゼロコミットメント」に基づき、パーム油の持続可能な調達を推進するため、当社は、2023年度に「持続可能なパーム油に関する円卓会議」(RSPO)に加盟し、さらに、当社およびヤクルト食品工業(株)※1は、2025年度7月に、RSPOサプライチェーン認証※2 (MB方式)を取得しました。また、2023年度に、日本市場における持続可能なパーム油の調達と消費の促進に向け活動している「持続可能なパーム油ネットワーク」(JaSPON)に加盟しました。

※ 1 ヤクルト食品工業(株)はめん類の製造・各種食品の販売を行う会社であり、「調達活動における森林破壊・土地転換ゼロコミットメント」内のパーム油の定量目標「調達するパーム油100%をRSPO認証品(MB以上)に切り替え」において唯一対象となる、即席中華めん用揚げ油を調達している。

※ 2 RSPOサプライチェーン認証:RSPO認証パーム油を使用する製品を取り扱う製造・加工・流通過程を対象に、RSPOが定める要求事項を満たしていることを認証する制度。

~原材料~ RSPO認証取得・JaSPON加盟

~サプライヤー~ サプライヤーのサステナビリティリスク低減に向けて

CSR調達方針に基づき、環境、人権、労働安全衛生、腐敗防止等のリスクが高いサプライヤーを特定するため、Sedexが提供するプラットフォームおよび「サステナブル調達アンケート」を活用し、サプライヤーのリスクアセスメントを実施しています。当リスク評価については年1回の頻度で実施することとしており、2024年度は製造に関する調達額構成比上位90%を占める取引先等の選定基準に基づき、国内外で合計261社に対して実施しました。上記の結果等を鑑み、取引先等を選定したうえで、各社の課題抽出と対応策を検討し、現地訪問の実施によるエンゲージメントに取り組んでいます。

※責任ある調達に関する国際情報共有プラットフォームを提供する会員組織。

現地での雇用や調達で地域の発展に貢献

ヤクルトグループは、事業を行う国や地域の持続可能な発展に貢献するために、当社の定める品質や安全性の基準をクリアし、安定的に調達できるものを使って現地で生産・販売する「現地主義」でグローバル事業を展開しています。
現在、海外27の事業所を中心に、日本を含む40の国と地域で事業を展開、地域に根差した生産・販売の拠点として事業所や工場を設け、現地社員を積極的に採用しています。

原材料の地元調達比率(2024年度乳製品原材料における実績)

原材料の地元調達比率

※海外から輸入し、国内で最終加工している原材料は、国内調達として集計

Pick Up!

担当者に聞きました

サプライヤーの皆さまとの協働でサステナブル調達を推進する(広報室 CSR推進室)

サプライヤーの皆さまとの協働でサステナブル調達を推進する(広報室 CSR推進室)

当社は、2021年度から「サプライヤー向けCSR調達方針説明会」を開催しています。これにより、サプライヤーの皆さまとコミュニケーション強化を図り、課題認識の共有に努めながらサステナブル調達を推進しています。こうしたサステナブル調達の取り組みについて、担当者が説明します。

ヤクルトがサステナブル調達に取り組む理由

私たちは事業活動において、法令遵守、環境配慮、人権尊重、情報管理といった社会的責任を果たすことが求められています。ヤクルトはこのような社会の期待に応えるために、サプライヤーとの積極的なコミュニケーションを通じた協働を行っています。サプライチェーン全体で社会・環境に与える影響への配慮やリスクの軽減を行い、社会の持続可能性を高めていくことを目指しています。

特に、環境・社会の持続可能性に寄与する取り組みには、サプライヤーの皆さまの理解・協力が必要不可欠です。ヤクルトでは、マテリアリティとして「サプライチェーンマネジメント」を特定しており、「サステナブル調達の推進」はサステナビリティ活動において大変重要な位置を占めます。サプライヤーの選定にあたっては、調達額基準、原材料基準、およびその他の定性的な基準を設けて、リスク管理を推進しています。

原材料サプライヤー、製造委託先等の主要なビジネスパートナーには、ヤクルトのCSR調達方針を説明し、2019年から自己評価を促す「CSR調達アンケート」への回答を依頼しています。その中で、サプライヤーの皆さまにもっと分かりやすく方針や取り組みを説明したいという想いから、2021年から「サプライヤー向けCSR調達方針説明会」を開催しています。

説明会でサプライヤーへの理解を深める

「サプライヤー向けCSR調達方針説明会」では、サプライチェーンマネジメントやサステナビリティに資する取り組みなどをお伝えし、意識啓発・能力向上を目的とした支援活動にも取り組んでいます。説明会に向けた準備で最も頭を悩ませることは、サプライヤーの皆さまにとって役に立つ情報を見出して、準備・実現させることです。社内の関連部署やサプライヤーの方々の声を聴き、現場の悩み・課題解決につながる情報や取り組みを発信できるように工夫して、本番に臨んでいます。

2023年12月の第3回説明会には、ヤクルト本社に原材料を供給しているサプライヤーおよび購買先の約160社から約440人の方々に参加いただきました。社内関連部署からも40人の参加がありました。

当日は、当社からヤクルトグループのCSR調達方針や、今年のCSR調達アンケートの結果、現状の課題や解決に向けた方向性などを説明しました。その後、サステナブル調達に関する国際情報共有プラットフォームを提供するSedexの担当者から、Sedexの概要や活用のメリットなどについてご説明いただきました。また、外部有識者および当社CSR推進室長から、持続可能な調達に関する推進体制の構築や具体的施策など、サプライヤーの皆さまのお悩みや課題を解決するヒントとなる情報提供を行いました。最後に、当社調達部長、開発部長、CSR推進室長の3名が登壇し、事前質問に対して回答しました。

参加者からは、「ヤクルトの方針や取り組みについて理解できた」「Sedex活用による人権尊重の取り組みの必要性を感じた」「今後の取り組みの参考になった」などの声が寄せられました。サプライヤーの皆さまも、サステナビリティの推進体制構築に悩まれていたり、サプライチェーン全体での意識醸成が難しいと感じたりしているなど、当社と似た悩みがあることが分かったことは、重要な気づきでした。

なお、当日の模様は録画し、振り返りや当日参加できなかったサプライヤー向けに配信も行いました。今後も、「対話と支援」をテーマに、具体的なアクションを起こしていきたいと思います。

サプライヤー向けCSR調達方針説明会の様子
サプライヤー向けCSR調達方針説明会の様子

サプライヤー向けCSR調達方針説明会の様子

「人も地球も健康に」をサプライチェーン全体で実践するために

ヤクルトのサプライチェーンマネジメントを社外に発信することには、二つの観点で意味があると考えています。

一つは、サプライヤーの皆さまへの影響です。環境・社会の持続可能性に寄与することはヤクルトのみならず、サプライヤーの皆さまにとっても有益な活動と考えています。サプライヤーの皆さまの理解・協力が必要不可欠であるため、説明会の場は重要な情報発信の場と認識しています。

もう一つは、社内の関連部署への影響です。サプライヤーの皆さまに当社の考えを発信していくためには、当然ながら、社内が一枚岩になることが重要です。コーポレートスローガンである「人も地球も健康に」をサプライチェーン全体で実践することについて関連部署と議論を重ねることで、社内の連帯感醸成と実効性向上に取り組んでいます。

担当者のコメント

(株)ヤクルト本社 広報室 CSR推進室
係長

上窪 悠生

※所属先、役職は取材当時

担当者のコメント

サステナビリティ関連業務の難しさは、サプライチェーン全体での課題解決が求められていることに起因すると考えています。これは裏返せば、インパクトが大きいという仕事の醍醐味でもあり、私たちの責任は大きいと感じています。困難な壁はたくさんありますが、将来世代である子どもたちの笑顔につながっていると信じて、仕事に取り組んでいます。

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