人も地球も健康に Yakult

サプライチェーンマネジメントマテリアリティ

ヤクルトのアプローチ

私たちは企業市民としてすべての企業活動において法令遵守、人権尊重、環境への配慮、情報管理といった社会的責任を果たすことが求められています。
サステナビリティ・CSR活動の中でも「CSR調達の推進」は、健康に役立つ商品の安定的な生産・販売や、持続可能な社会づくりに向けた重要テーマとして位置づけており、調達額基準、原材料基準、およびその他の定性的な基準に応じて、サプライヤーを選定し、リスク管理を推進しています。
ヤクルトグループのお取引先さまと一体となって取り組む課題であり、積極的なコミュニケーションを通じた協働により、サプライチェーン全体で社会・環境に与える影響への配慮やリスクを軽減し、社会の持続可能性を高めていきます。

担当役員メッセージ

取締役 専務執行役員 生産本部長 
土井 明文

世界動向を把握し、企業としての責任ある行動を起こす

国際情勢の混乱による原材料価格の⾼騰や、急激な為替相場の変動など、原材料調達に関する課題が継続する中、「グラスゴー気候合意」、「森林・土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言」、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」といった国際社会が目指す姿や目標が策定されています。
企業には、自社グループの事業活動やそのサプライチェーンが環境・社会に与える負のインパクト(影響)を把握し、それらを情報開示しながら、ゼロにしていくことが求められていると認識しています。マテリアリティの一つに「サプライチェーンマネジメント」を掲げるヤクルトグループとして、世界動向を把握し、環境・社会の持続可能性を高める行動を起こしていくことが重要と考えています。

サプライチェーンにおける森林破壊・土地転換ゼロを目指す

当社グループは、水、土壌、大気、動植物、そして人々がおりなす社会、これらすべてが健康であって初めて、人は健康的に生活できるのであり、健全な社会が築かれるのだと考えています。このような考え方や当社グループの社会的責任を踏まえ、国際森林デーの翌日にあたる2023年3月22日に、サプライチェーンから森林破壊をなくすことを目指す「調達活動における森林破壊・土地転換ゼロコミットメント」を策定しました。
自然資本や地域社会に支えられて事業を展開する当社グループの持続可能性にとって、森林破壊は対応すべき重要なビジネス上のリスク・脅威と捉えています。森林破壊リスクが高い原材料に関わるサプライチェーンにおいて、森林破壊をゼロにすることを目指しており、対象となる原材料や範囲、目標・KPIを定め、サプライチェーンにおける責任ある調達を推進してまいります。
当コミットメントにおける具体的な目標の一つに、原材料の生産地などにさかのぼってリスクを把握し、解決に向けたアプローチを実行するトレーサビリティの確立があります。トレーサビリティは、サプライチェーンの透明性を向上させる一方、サプライヤーの皆さまとの協働が不可欠です。
「サプライヤーさま向けCSR調達方針説明会」などを開催し、サプライヤーの皆さまには私どものコミットメントに対する理解・協力を求めながら、社会・環境に与える影響やリスクの把握を進め、サプライチェーン全体で責任ある調達に取り組んでいきます。

コミットメントからアクションへ

環境問題は世界的に拡大・深刻化しており、また、サプライチェーンにおける強制労働、児童労働、差別、非人道的扱いなどの人権課題も解決すべき重要な問題です。企業としてこれらの諸問題に対処していくために、社内外に方針・目標をコミットメントとして明示し、バックキャスティング思考に基づいて、計画的かつ具体的に取り組みを実行していくことが重要と考えています。
当社グループにおけるサプライチェーンマネジメントの具体的な強化策の一つとして、責任ある調達に関する情報共有プラットフォームを提供する会員制組織「Sedex」に2022年6月に加入しました。当プラットフォームを活用して、情報収集・分析を実施し、リスク低減の具体的アクションを起こしていきます。
重要な原材料については、環境に配慮した第三者認証品への切り替えも進めており、トレーサビリティについても調査等を始めています。
今後もCSR 調達に関する自社の取り組みレベルを向上させつつ、サプライヤーの皆さまと共に持続可能なサプライチェーンの構築に向け、行動してまいります。

貢献するSDGs

サプライヤーとともに推進するCSR調達

ヤクルトグループは、2018年に策定した「ヤクルトグループCSR調達方針」や、2020年に策定した「ヤクルトグループサプライヤーCSRガイドライン」をもとに、サプライヤーと連携・協力しながらサプライチェーン全体でCSR調達を推進しています。2021年度から、「サプライヤー向けCSR調達方針説明会」を定期的に開催しています。2022 年度はサプライヤー約160社から約400人が参加しました。当説明会では、持続可能な調達に関連する情報提供や当社のCSRに関する各種方針や今後の方向性について説明し、サプライヤーに共通の課題認識を持っていただくことができました。

  • 安全な水とトイレを世界中に
  • 働きがいも経済成長も
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • パートナーシップで目標を達成しよう

CSR調達の基本方針
ヤクルトグループ CSR調達方針

ヤクルトグループは、人権、労働、環境、腐敗防止などにも配慮するCSR調達の重要性を認識し、取引先と連携・協力しながらサプライチェーン全体でCSR調達を推進します。

1法令遵守と国際行動規範の尊重

各国・地域の法令遵守はもとより、国際行動規範を尊重し、公正・公平な調達活動を推進します。

2人権・労働・安全衛生への配慮

児童労働・強制労働の排除および基本的人権を尊重し、労働環境や安全衛生に配慮した調達活動を推進します。

3安全・安心と品質の確保

コスト・安定供給はもとより高い品質と安全性の確保をめざした調達活動を推進します。

4地球環境への配慮

「ヤクルト環境基本方針」に準拠し、地球環境に配慮した調達活動を推進します。

5情報セキュリティの保持

調達取引に関わる機密情報は厳重に管理し正当な目的以外に使用しません。

6社会との共生

社会との共生に向けた社会貢献への取り組みに配慮した調達活動を推進します。

(2018年3月策定)

ヤクルトグループサプライヤーCSRガイドライン

CSR 調達方針に基づき、ヤクルトグループにおいて実効性をもってCSR 調達を推進し、持続可能な社会づくりに貢献するため、2020年7月に「ヤクルトグループ サプライヤーCSRガイドライン」を策定しました。当ガイドラインは、新規取引を開始する場合を含めた国内外の取引先に対して、責任ある調達活動に関する依頼事項をまとめたものです。
当ガイドラインの遵守に向けて、サプライヤー向けCSR調達方針説明会にて当ガイドラインの内容を説明しています。また、当ガイドライン記載の依頼事項については、アンケートや監査等を通じて取り組み状況を確認し、問題が確認された際には改善に向けた対応を行っています。
当ガイドラインを用いながら、ヤクルトグループ一体となってCSR 調達を推進していきます。

調達活動における森林破壊・土地転換ゼロコミットメント

地球温暖化、環境汚染、生物多様性の損失、資源の枯渇など、地球環境が危機的状況にある中で、「調達活動における森林破壊・土地転換ゼロコミットメント」に基づき、ヤクルトグループは地球環境やそれに支えられている人々の生活・人権に配慮しながら事業活動を行うこと、そして、いつまでも人と地球が共に暮らせる社会をつくることを追求していきます。

サプライチェーンにおける森林破壊リスクのある原材料を特定し、基本的方針、取り組みおよび目標を掲げながら、持続可能な調達を推進します。

取り組みおよび目標(KPI)

森林破壊リスクが高い原材料として、紙・パルプ、パーム油、大豆、乳製品(脱脂粉乳等)を特定し、それらの持続可能な調達について、対象範囲、目標・KPIを定め、サプライチェーンにおける責任ある調達を推進します。

※定量目標等については、継続的な取り組みの改善を図りながら、適宜見直し・更新を行います。

対象範囲 ヤクルトグループの食品・飲料、医薬品および化粧品の生産に必要な原材料調達に関わる国内外のすべての連結事業所
対象原材料 目標年度 定量目標
紙・パルプ 2025 紙製容器包装のために調達する紙・パルプ100%をFSC®などの国際認証品あるいは再生紙に切り替え
パーム油 2025 調達するパーム油100%をRSPO認証品(MB以上)に切り替え
2030 一次原料として調達するパーム油100%について生産地までのトレーサビリティを確立
大豆 2030 一次原料として調達する大豆100%について農家などの原料生産地までのトレーサビリティを確立
乳製品 2030 調達する乳製品(脱脂粉乳等)100%について酪農家などの原料採取地までのトレーサビリティを確立

森林破壊・土地転換ゼロに関する進捗

ヤクルトグループのサプライチェーンにおける森林破壊・土地転換の検証に取り組んでいます。

主な取り組み

社内におけるCSR調達の教育・意識啓発活動の実施状況

社内においても原材料調達や製造委託に関わる社員を対象に、CSR調達の教育・意識啓発活動を実施しています。

年度 活動名および対象者 主な内容
2018 「CSR調達の推進に向けた勉強会」7回
対象:調達関係部署長および担当課長(計35人)
外部講師を招いてCSR調達方針とサプライチェーンマネジメントに関する意識啓発や教育を実施
2019 「CSR調達の実施に向けた実務担当者説明会」
対象:調達関係部署の実務担当者(計18人)
内部講師によるCSR調達の必要性や具体的実施に向けた各種施策の説明
2020 「CSR調達研修会」2回
対象:開発・調達に携わる実務担当者(計105人)
外部有識者による講義やグループ討議を通じて、人権、労働、環境、腐敗防止に関わる社会課題や具体的事例の共有、当社CSR調達に関わるリスクと機会、原材料等に関わるトレーサビリティや国際認証制度の必要性等を学ぶ
2021 「CSR調達研修会」
対象:海外事業所、本社の海外事業所所管部署の役員および社員(計72人)
外部有識者による講義や課題図書の精読を通じて、海外事業所におけるCSR調達の推進責任者および推進担当者に対して、サステナビリティに関する基礎知識やCSR調達の具体的方法等を共有
海外事業所を所管する部署の役員および社員にも同様の研修を実施
2022 「事業活動における森林破壊ゼロコミットメントに関するセミナー」
対象:調達関係部署長および担当課長、実務担当者(計47人)
公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)の古澤千明氏を招き、「森林破壊リスクとコモディティ」をテーマに、事業活動に関わる森林破壊ゼロを達成するための具体的方法論に関する講義を実施

現地での雇用や調達で地域の発展に貢献

ヤクルトは、事業を行う国や地域の持続可能な発展に貢献するために、当社の定める品質や安全性の基準をクリアし、安定的に調達できるものを使って現地で生産・販売する「現地主義」でグローバル事業を展開しています。
現在、海外29の事業所を中心に、日本を含む40の国と地域で事業を展開、地域に根差した生産・販売の拠点として事業所や工場を設け、現地社員を積極的に採用しています。

原材料の地元調達比率(2022年度乳製品原材料における実績)

原材料の地元調達比率

※海外から輸入し、国内で最終加工している原材料は、国内調達として集計

Pick Up!

担当者に聞きました

サプライヤーの皆さまとの協働でCSR調達を推進する(広報室 CSR推進室)

サプライヤーの皆さまとの協働でCSR調達を推進する(広報室 CSR推進室)

当社は、2021年度から「サプライヤー向けCSR調達方針説明会」を開催しています。これにより、サプライヤーの皆さまとコミュニケーション強化を図り、課題認識の共有に努めながらCSR調達を推進しています。こうしたCSR調達の取り組みについて、担当者が説明します。

ヤクルトがCSR調達に取り組む理由

私たちは事業活動において、法令遵守、環境配慮、人権尊重、情報管理といった社会的責任を果たすことが求められています。ヤクルトはこのような社会の期待に応えるために、サプライヤーとの積極的なコミュニケーションを通じた協働を行っています。サプライチェーン全体で社会・環境に与える影響への配慮やリスクの軽減を行い、社会の持続可能性を高めていくことを目指しています。

特に、環境・社会の持続可能性に寄与する取り組みには、サプライヤーの皆さまの理解・協力が必要不可欠です。ヤクルトでは、マテリアリティとして「サプライチェーンマネジメント」を特定しており、「CSR調達の推進」はサステナビリティ・CSR活動において大変重要な位置を占めます。サプライヤーの選定にあたっては、調達額基準、原材料基準、およびその他の定性的な基準を設けて、リスク管理を推進しています。

原材料サプライヤー、製造委託先等の主要なビジネスパートナーには、ヤクルトのCSR調達方針を説明し、2019年から自己評価を促す「CSR調達アンケート」への回答を依頼しています。その中で、サプライヤーの皆さまにもっと分かりやすく方針や取り組みを説明したいという想いから、2021年から「サプライヤー向けCSR調達方針説明会」を開催しています。

説明会でサプライヤーへの理解を深める

「サプライヤー向けCSR調達方針説明会」では、サプライチェーンマネジメントやサステナビリティに資する取り組みなどをお伝えし、意識啓発・能力向上を目的とした支援活動にも取り組んでいます。説明会に向けた準備で最も頭を悩ませることは、サプライヤーの皆さまにとって役に立つ情報を見出して、準備・実現させることです。社内の関連部署やサプライヤーの方々の声を聴き、現場の悩み・課題解決につながる情報や取り組みを発信できるように工夫して、本番に臨んでいます。

2023年12月の第3回説明会には、ヤクルト本社に原材料を供給しているサプライヤーおよび購買先の約160社から約440人の方々に参加いただきました。社内関連部署からも40人の参加がありました。

当日は、当社からヤクルトグループのCSR調達方針や、今年のCSR調達アンケートの結果、現状の課題や解決に向けた方向性などを説明しました。その後、CSR調達に関する国際情報共有プラットフォームを提供するSedexの担当者から、Sedexの概要や活用のメリットなどについてご説明いただきました。また、外部有識者および当社CSR推進室長から、持続可能な調達に関する推進体制の構築や具体的施策など、サプライヤーの皆さまのお悩みや課題を解決するヒントとなる情報提供を行いました。最後に、当社調達部長、開発部長、CSR推進室長の3名が登壇し、事前質問に対して回答しました。

参加者からは、「ヤクルトの方針や取り組みについて理解できた」「Sedex活用による人権尊重の取り組みの必要性を感じた」「今後の取り組みの参考になった」などの声が寄せられました。サプライヤーの皆さまも、サステナビリティの推進体制構築に悩まれていたり、サプライチェーン全体での意識醸成が難しいと感じたりしているなど、当社と似た悩みがあることが分かったことは、重要な気づきでした。

なお、当日の模様は録画し、振り返りや当日参加できなかったサプライヤー向けに配信も行いました。今後も、「対話と支援」をテーマに、具体的なアクションを起こしていきたいと思います。

サプライヤー向けCSR調達方針説明会の様子
サプライヤー向けCSR調達方針説明会の様子

サプライヤー向けCSR調達方針説明会の様子

「人も地球も健康に」をサプライチェーン全体で実践するために

ヤクルトのサプライチェーンマネジメントを社外に発信することには、二つの観点で意味があると考えています。

一つは、サプライヤーの皆さまへの影響です。環境・社会の持続可能性に寄与することはヤクルトのみならず、サプライヤーの皆さまにとっても有益な活動と考えています。サプライヤーの皆さまの理解・協力が必要不可欠であるため、説明会の場は重要な情報発信の場と認識しています。

もう一つは、社内の関連部署への影響です。サプライヤーの皆さまに当社の考えを発信していくためには、当然ながら、社内が一枚岩になることが重要です。コーポレートスローガンである「人も地球も健康に」をサプライチェーン全体で実践することについて関連部署と議論を重ねることで、社内の連帯感醸成と実効性向上に取り組んでいます。

担当者のコメント

(株)ヤクルト本社 広報室 CSR推進室
係長

上窪 悠生

担当者のコメント

サステナビリティ関連業務の難しさは、サプライチェーン全体での課題解決が求められていることに起因すると考えています。これは裏返せば、インパクトが大きいという仕事の醍醐味でもあり、私たちの責任は大きいと感じています。困難な壁はたくさんありますが、将来世代である子どもたちの笑顔につながっていると信じて、仕事に取り組んでいます。

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